夕方、4時頃に買い物で出て、 食料品を買う前に本屋に寄った。
いったい毎月何冊の新刊本が出ているのだろう。
本の題名は、 一番のキャッチコピーだ。
LAST という本を買った。
スタバに行くと壁際の席に 女性が一人ずつ座っていた。 そのふたりの間の席が空いていたのでそこに座った。
本を持って入っても、 しばらくコーヒーを飲みながら店内にいる人々を眺めるのが好きだ。
テーブルに買ったばかりの本と、携帯、小さなノートとシャーペンを置くと、 かけていたサングラスを外す。
サングラスをしていると、反対にこちらがちらちらっと見られてしまうから。
軽い近視なので度付きサングラスを外すとあまり遠くの人々の様子が見れなくなるのは残念だけど。
壁に背中をつけるようにして左の女性を見る。
なぜ通販で買うのですか という題名が見えた。
透明なカバーがかかっている。 図書館で借りた本らしい。
30代後半くらいの左手の薬指に指輪をしている化粧っけのない小柄な女性だ。
服装もとても地味で ベージュのスラックスと 無地のTシャツ。 色は、忘れた。
穏やかな結婚生活を送っていそうに見えるけど、人間見た目だけではわかりません。
右を見る。
右側は、 とても圧迫感がある女性。
銀のラメが散りばめられたショッキングピンクのTシャツの下は、 これまた銀ラメが散りばめられたGパン。 座高でしか想像できないが、 かなり背が高そう。 そして、体重は、私の倍はあるだろう。 年齢は、うーん、 とっても難しい。 30才〜50才くらいの間、どれにも見えるんです、ほんと。
自己主張の強いファッションと かまっていない髪型とすっぴんの顔と。
彼女は新星堂の袋からCDを取り出すと、 ずーっとジャケットの表側を見つめている。
なんのCDだろう。 すごく知りたいな。
裏側を見るとかパッケージを開けて歌詞カードや解説を見たりしないんだもの。
ただひたすら、 ジャケットに写っている歌手の写真を見つめている。
だーれだろう? あ、ようやく見えた。 ・・松田聖子 でした。
もう一度、 左隣の人をなにげなーく見る。
さっきと違う本を読んでいる。 えーと・・・
私は生みたい。
変わった題だ。 スーツ姿の女の人の写真が表紙に出ている。
ん?
野田聖子。
まあ! どちらも聖子ちゃん・・。
電車の中やスタバのようなコーヒーショップでヒューマンウォチングをしていると、7回に1回くらい同種の人に出会うことがある。
その人も私もまわりを観察しているので、何度か目が合ってしまうが、
(昔、一緒に銀行強盗してきっちり分け前を配分して逃げ仰せ、今後は決してお互いの人生に顔を出さない、と誓った人にこんなところで会ってしまった。) みたいな気分になる。
こんなふうに知らない人々を眺めるのは 好きだが、 なぜか近い人に目がいかない。
海や空のクラスメートの親に街でばったり出会っても9割は、わからないだろう。
顔と名前が一致しないどころか顔も名前も把握していないし、 覚えようという意思もない。
失礼この上ない私です。
・・・と、悪趣味はこのぐらいにして、先ほど買った本を開きました。
7つの短編のうち5つをスタバで一気に読んでしまいました。 おもしろかったの。
短編の題のあたまが全部 (LAST) で始まります。 1話目が LAST RIDE, 2話目が LAST JOB 、 3話目が LAST CALL という具合です。
「もう、あとがない! でも明けない夜はない。」 と帯に書いてありますが、 これはとても内容に合ってました。
筆者のあとがきに 「エンドマークのあとも続く、ぼくたちのリアルな人生を考えるために、この本がすこしでも役に立つのなら、ぼくとしては満足です。」 と 書いてあります。
石田衣良(イシダイラ) は初めて読みましたが、 ぜひ他の作品も読んでみたいと思います。
気が付くと、両隣の聖子ちゃん達はすでに席を立った後で、 窓の外には夕闇が迫っていました。
日が落ちるの、早くなりましたね。
サングラスはバッグにしまいました。
近視のくせに 普通の眼鏡は持っていず、 度付きサングラスしかない私は夕方以降に運転する時はとても優良ドライバーです。 次回の免許書き換えの時までに普通の眼鏡を買わなくては。
眼鏡の似合う女性は 美人だ、 と言いますが。
似合わないんだなあ、 私・・・。 がっくし。
石田 衣良〔著〕
講談社 (2005.8)
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