2006年03月02日

3月1日物語 : 雨の南青山 ラプソディ


空くんの小学校時代の同級生のおかあさまたちと 「世界一美味しいチョコレート」を食べに行くことになった。

同じ私立の小学校から5人がそれぞれの中高一貫の私立や国立に行ってしまったが、母親の交流は続く。

チョコレートは1階に売っているが私たちが行ったのは2階のレストラン チョコレートバーラプソディ
ロンドンで行われたアカデミー・オブ・チョコレート主催のチョコレートフェスティバルで昨年11月に金賞をとった 「チュアオ」 のチョコレート。 そのチョコレートソースがかかった鴨のロースト。

鴨のローストチョコレートソース

http://www.rhapsody-aoyama.com/news.html

ブログもあります  http://aoyamarhap.exblog.jp/2668982/ 


「おかあさま」と呼ばれるのにふさわしい物静かで上品な奥様たちのはずだった・・はずだったのに。 

2時間しか都合がつかない私たちは、ハイスピードでてんこもりのおしゃべりをする。 

ロクシタンのボディオイルがいいだの、 部外者に漏らしてはいけないはずの学園祭に「ツクシックス」を見に女子高生が押し寄せた、最近の女の子はスタイルが良いのとドカンとでかいのと2極化しているだの、 永田議員の性格は破綻しているのではないか、 英語の塾はどこがいいだろうかだの、 デパートの物産展で大阪物産展に行くと「東京在住の大阪のおばちゃん」が集まってやかましいだの (我々だって十分やかましかった)、お料理教室はどこがいいだの、男の子に行く遺伝子はほとんど母親からのものだから嫁選びば慎重に、でも頭の出来具合だけは父親かららしい、 
男子校だからそろそろお年頃の子供たちは、

いったいどこで彼女を見つけるんだろうか。

塾だって。

だから、男子校の子たちは塾に行きたがるのよ。 

いいよね、これから恋がいっぱいできて楽しみな季節ね・・・ 

そうね。

まだ中2よ。

もう中2よ。

ちょっと心配ね。

そればかりはね。  親が口を出せるもんじゃないものね。

だって、女って怖いじゃない。

わたしたちも女じゃない。

だから、怖いってわかってるの。


オンライン書店ビーケーワン:female  female  新潮社

5人の女流作家による、女の怖さと色気がつまったアンソロジー。

昨年、映画化されました。

小池真理子 「玉虫」 主演:石田えり

唯川恵 「夜の舌先」 主演:高岡早紀

室井佑月 「太陽のみえる場所まで」 主演:大塚ちひろ

姫野カオルコ 「桃」 主演:長谷川京子

乃南アサ
 「僕が受験に成功したわけ」(映画では「女神のかかと」) 主演:大塚寧々 


もう恋しちゃいけないのかしら、わたしたち。 と誰かがぽつんとつぶやいた。

しんとおしゃべりが止まった 「ラプソディ青山」 のランチ。

チョコレートは甘くて苦くて女も甘くて苦くてそして怖い。





 
posted by tsukikohime at 01:39| Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月21日

11月21日物語 : 小説と音楽


ツタヤに行くなら トップガンのサントラ盤を借りてきてよ と空が言うので借りてきた。

車の中にずっと置いてあるカセットは、 10年以上ものあいだ何回か車を買い換えても いつでもそこにある。

近所を運転する時はMDかCDであれこれ聞いているが、 高速や殺気立った車線が三本以上あるような道に出ると、 空は勝手にトップガンのカセットをカーデッキに差し込む。


やめてよー、 わたしをその気にさせないでと言いながら、 空が喜ぶのがおもしろくてギアを忙しく変えながら車線変更を繰り返しトップに出るよう運転してしまう。


そんなこんなでいいかげんテープが伸びてきた。 同じ曲ばかりかけるからだ。


そう、 ケニー・ロギンスデンジャー・ゾーン


どうして男の子はトップガンが好きなんだろう。

幼いときから、 デンジャー・ゾーンの曲に合わせて 「ほら、空を飛ぶよー!」 とアクセルを踏み込み、 背中がシートにぎゅーんと押さえつけられる感覚を体感させてしまった私にも責任があるけれど。

確かにかっこいいけれど、 男の子の興奮度は女の子のそれをはるかに凌ぐようだ。


小学生になって、 オトナのシーンはとばしてビデオを見せたら、 余計にはまってしまった。

曲と映像が完全にひとつのものになって興奮度アップ。


音楽と小説は、 ひとつのものになるだろうか。

それはね、ちょっと難しいですよね。 映画と音楽の組み合わせとは次元が違います。


幻冬舎文庫の恋愛小説アンソロジー シリーズの中の Love Songs を読んだ。

8人の女性作家それぞれが、 自分の好きなラブソングをテーマに書き下ろした8つの短篇。


・ 唯川恵       消息 (松任谷由美)

・ 山本文緒      これが私の生きる道 (Puffy)

・ 角田光代      エンジェル (RCサクセション)

・ 桜井亜美      I’m Proud (華原朋美)

・ 横森理香      ダイナマイト (SMAP)

・ 狗飼恭子      やさしい気持ち (CHARA)

・ 江國香織      Cowgirl Blues (松任谷由美)

・ 小池真理子     STORM (山下達郎)



ちゃんと 全曲歌詞もついてますよ。



好きな曲にまつわる想いや思い出は自分だけのものだから、 あー、この話とこの曲はぴったしなんてことにはなりませんけどね。

わたしが気に入った短篇は、 角田光代の。  そして この中で一番好みの曲も たまたま エンジェルでした。


読みたい作家や好きな曲、 ありましたか?


Love songs
唯川 恵〔ほか著〕
幻冬舎 (1999.4)
通常2-3日以内に発送します。
posted by tsukikohime at 23:17| Comment(4) | TrackBack(0) | アンソロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月01日

11月1日物語 : 読める?


「もっと、この人の本ないの?」

と、 海が 町田康 の くっすん大黒 を持って私のところに来た。

「え、これ読んだの?」

「うん。」

「意味、わかった?」

「ううん、 ほとんどわからないけどすっごくおもしろかった。」

小学校6年生の女の子が、 内容をしっかり把握したりしたら少々まずい場面もある本である。

「ほとんどわからないのに、どうしてもっと読みたいの?」

「おもしろいの。 止まんない。」

そうか、 子どもにも町田康の文章のリズムは癖になるんだ・・。

夫婦茶碗 というのもあるわよ。」

「わー! 貸して〜!」


何が書いてあるのかわからなくても おもしろくて止まらない、という読み方もあります。


一時、 今もかな、 「音読しましょう! 朝のホームルームで本を読みましょう!」 なんてことが日本各地の小、中、高校で流行った。

そして、 「子どもたちの成績が上がった。」 だの 「落ち着きのない子どもたちに精神の安定が見られるようになった。」 だのの成果があったらしい。

学校だけでなく、 老人ホームなどでも 「音読の時間」 を設けているところもあるらしく、 脳の活性化にボケ防止に、などと謳った音読用の本もけっこう売れているらしい。


こういうところによく出没するのが 斉藤孝さん である。

イッキによめる! 名作選 シリーズが講談社 から出ているが、 それの小学校6年生 版 の中に納められている作家の名前を調べてみたのだが、なかなかたいしたもんだなって感心してしまった。


江國 香織    町田 康    村上 春樹    中島 らも    太宰 治    山田 詠美    森 鴎外 

など、全部で12作品収められていて、 へえー、これは素晴らしい、 豪華です。


<この本の読み方3か条> には、 

1. 気に入ったセリフは、 声に出して読んじゃおう!

1・ 頭のなかで、文章を絵にしてみよう!

1. だれかにあらすじを話しておぼえちゃおう!

みたいな、余計なお世話が書いてある。


各作家たちの作品の中でも、短かめでかつ小学6年生が読んでも差し障りのない内容であろうものを、 斉藤孝さんが、文部科学省の視線を意識しながら集めたものなのでしょう。

こんな教育的な本にも取り上げられるなんて、 町田康のリズム感ある文章は、 大人だけではなく子どもも惹きつける魅力があるのですね。


でも くっすん大黒や、 夫婦茶碗 みたいなあぶなげな内容のお話は選ばれてないはず。 そんなのを収録したら学級文庫や小学校の図書館に置いてもらえなくなります。
 
だけど、 町田康のあぶなくないお話って、どんなかな。 読んでみたい。


もともと読書好きの子どもに、 わざわざ買って与える必要はないけれど、 普段あまり本を読まない子には、 イッキによめる! 名作選 シリーズも読書のおもしろさに目覚める良いキッカケになるかもしれない・・かもです。 かも。 かな。


「うちの子、 本を読まなくて〜。 まったくどうしよう。」 なんて心底悩んでいるお母さんにはお助け本になるのかもしれない・・・。 かもしれない・・。

疑問。   本の題名、 どうして 「よめる」 なの? 「読める」 でしょ?

「読める」という漢字も 読めないほど(アレルギーを起こすほど)、 字も本も読まない(読めない)子向きってことでしょうか?

「読める」 くらい 読めなくたって、 わからない漢字があったって、読ませちゃうのが 本の魅力なんだと思うんだけどなあ。


最後にクイズなんかもついています。  読んだ内容を子どもに確認させて、 親子で楽しくクイズをしながら理解を深めることもできちゃうんですね!!

便利ですね。


「主人公はなぜ、どこそこに行ったのでしょう?」

「主人公があの時、女の子に渡したものはなんだったでしょうか?」

などと、 お話の雰囲気の余韻に浸っている子の首根っこをつかまえて、 お母さんが質問するのに、とっても便利。


「わかんないよ〜。」

「読んだのに、どうしてわかんないのっ!」

「女の子なんて出てきたの、覚えてないよ〜。」

「ピンクのズポンを穿いてた子がいたじゃないっ!」

「男かもしれないじゃないか〜。」

「ピンクのズポンは、 男の子は穿かないの!」

「どうしてピンクのズポンを穿いてたら女なんだよー。 男がピンクのズポンを穿いたっていいじゃないかよー。」

「そういう話をしてるんじゃないの!  まったく、あんたはいったい何を読んでるの、 呆れた。 ちっとも理解してないじゃない! もう一回、 読み直しなさい!」

「やだよー。」

「クイズに答えられるよう、しっかり読みなさい!」

「クイズなんて、やりたくないよー!」

「声に出して、読んでるとこちゃんと見せなさいっ。」

「やだー!!  本なんて、 大嫌いだ〜!!」



            オンライン書店ビーケーワン:斎藤孝のイッキによめる!名作選 小学6年生
posted by tsukikohime at 23:53| Comment(5) | TrackBack(0) | アンソロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする