2005年07月27日

7月26日物語 : チョキチョキチョキチョキチョキ

 
 台風7号の影響を考えて、予定より現地を早く出発したとのメールが学校から届いた。 今どきは、小学校の緊急連絡も、携帯へのメールなのだ。

 海が林間から帰って来た。
 そして、明日から空が陸上部の合宿で新潟まで行く。

 もう出たり入ったり。

 夜も9時を過ぎて、空が言う。

 「髪、うざい。 床屋やってるかな。」
 「なんで、こんな時間に。」
 「ちょこっと切ってくれる? ちょこっとだよ、ここ」
 
 出来るかな? 小さい時は切ってあげたけど。 あの時は、まあ、幼児だったから。

 「ちょこっとだよ。」
 「わかってるって。」

 チョキチョキチョキチョキチョキチョキ

 楽しい。

 チョキチョキチョキチョキチョキチョキ

 楽しい。

 「もういいんじゃないかい?」
 「まだ、バランスが。」

 チョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキ

 「なんか、シザーハンズの映画、思い出しちゃった。 あの映画、いいよね。 ジョニーデップ、あれでファンになっちゃった。」

 チョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキ

 「ちょっと、鏡見せてよ。 なんか切りすぎじゃないのか?」
 「そんなあ。 左右のバランスを整えてるんだから。 それに、作品製作途中であれこれ批評されたくないなあ。」
 「作品て・・・。」

 チョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキ

 「空くん、あのね、(アイフル)のコマーシャル、思い出してきちゃったんだけど・・・」

 「鏡、見せろよ!」


 空は、私が想像した以上に怒ってるようでした。
 もくもくと一人で明日の合宿の荷物を詰めています。

 「ねえねえ、髪、一生懸命、切ってあげたんだからさー、やっぱり、『ありがとう』とか、お礼言って欲しいなー。 お礼。」
  
 「お礼!?  わかった。 『礼はいつか倍にして、返してやるよ!!』、 言ったよ。」

 そうゆうのじゃなくて〜。

 「それより、なんか、本! 新潟までバス6時間も乗ってるんだよ!」

 「そんな、怒ったみたいな口調で言うことないじゃないよー。」
 
 「あ〜あ、もう、この髪型・・・。」

 「えーとね、これとこれなら、持っていってもいいよ。 海は、気持ち悪いって言って、読まないから。」

 笑うカイチュウ藤田紘一郎と、竹内久美子パラサイト日本人論<ウイルスがつくった日本のこころ>

 「寄生虫の話ばかりじゃないか。」 ぱらぱらとめくりながら、空が言う。

 「藤田さんは、熱帯医学と寄生虫学を専門とする医学博士で、竹内さんは、動物行動学を専攻して博士課程をへて著述業になった人で、両方、併せて読むとおもしろいよ。 難しい内容じゃなくて、かなり笑えるから。」

 「ふーん、お母さん、虫、嫌いなくせに。 特に夏場に出てくる、あの黒くて、てらてらして・・・」
 「やめてよね!! それ以上言ったら、泣くからね!!」

 「泣けば!!」

 怒ってる。


posted by tsukikohime at 16:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 竹内久美子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月16日

7月10日物語 : I Don't Like Friday

普通にお勤めしている人達にとって、金曜日の夜から日曜のお昼くらいまでは、かなり楽しい時間なのであろう。 日曜日もだんだん日が暮れるに従って、 (あ〜 明日は仕事か〜)という言葉が浮かんでくる。 (やだな〜)(行きたくないな〜)

しかし、本当に申し訳ないとは思うが、私は金曜日が大嫌いで日曜日の夜はわくわくする。

平日の主婦は戦争中で、週末の主婦は戦争の最前線だ。
起きるのも活動するのもばらばらの家族のお腹の中に納めるものを、一日中作り続ける。 そして家族中、皆、常に何か探し物をしている。

 「お母さん、英語のノートがないよ。」
 「お母さん、切手はどこだ?」
 「お母さん、みーちゃんからもらったピンク色の蛙のストラップはどこ?」
 「長い方の耳掻き、ちょうだい。」

全てを解決するのが、主婦である。

休日の塊の代表、夏休み。

恐怖の夏休みが終わると主婦達の皺は確実に深く刻まれ、白髪が増えたと嘆く者多数。 中には円形脱毛症になってしまう可哀想な人もいる。

私の知り合いで、3人の子持ちのお母さんがいたが、彼女はお盆休みが終わった翌日、恋人と失踪してしまった。

それでも私は本を読む。

最前線に居たってお腹はすくのだ。

電車の中で立ったまま三分間熟睡して夢まで見る人が居るように、三分間、熟読して人生の不思議を楽しむ人間だって居るのだ。

三分でも、暇をみて本を棚から本を取り出す。

賭博と国家と男と女  竹内久美子著。

読みながら思った。
 
誰が、クマノミ? 

恋人たちは、マントヒヒ?

そして私は、明治の芸者かな?

 …言いすぎ。

賭博と国家と男と女
竹内 久美子著
文芸春秋 (1996.1)
通常2-3日以内に発送します。

 
 
posted by tsukikohime at 02:34| Comment(2) | TrackBack(1) | 竹内久美子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする