2007年05月08日

5月8日物語U : ビバ! カッパ!

町田康つづきでわたしも明るく開放的でなげやりな狂気の方向
に向かっているようです。 ビバ! カッパ!

本を読むとき、
本があってそれを読むわたしがいるときと、
本があってその中に連れていかれたわたしがいるときが
ありますが、
ひとによってもちろん違うのでしょうが、
わたしの場合、
連れて行かれて森でしばらく迷子になるのは、
代表的なので、村上春樹。
そして川上弘美、 小川洋子、 井上荒野、
たまに吉本ばなな。など。 ほかにもあったかな?
DVC00012.JPG
町田康も危ないです。
読み始めは余裕の一読者なのですが、
途中で波長がぴたと合ってしまう。
連れていかれはしないけど、波長は合っても
かまわないかなーと気を許してしまう。
いっちゃう? な気分になってしまう。

もっとも恐ろしかったのは、ちょうきつさんです。
車谷長吉さん。 
波長があったら無理心中させられてしまいそうです。
なんか、崖からって感じで。
危険を察知すると全身を持っていかれないよう
警戒しながら読みます。
読後に戦った感があり、疲労します。

で、町田康。 あらすじ書かないもんね。

オンライン書店ビーケーワン:浄土
浄土  町田 康‖著  2005.6  講談社

我を振り返らずにはいられません。
のらせておきながら顔も赤く染まります。
わたしもいっしょに ビバ! カッパ! 

・・悲恋ものを読みたいこのごろなのに、めぐりあいません。
そのうち。
                    ・・・ Goodnight
posted by tsukikohime at 23:19| Comment(0) | TrackBack(1) | 町田康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月06日

5月6日物語U : きれぎれ

きれぎれ

再読です。
集中力が必要な一冊ですが、読み始めるとエンディングを
迎えるまでは止まらなくなります。 
止めるわけにはいかない。
見届けなくては。 
この男の行き着くところを。
わたしが見届けてあげる。
待ってなさい。

オンライン書店ビーケーワン:きれぎれ

きれぎれ 町田 康著 2000.7 文芸春秋

集中豪雨の中、あえて傘をささないでずぶ濡れになって
散歩する男。
煙草が吸いたくなったがポケットの中の煙草は
ぐずぐずになっていて、もはや吸える状態にはなく、
でもなんとしてでも煙草を吸いたい。
いまここで煙草を諦めれば、俺は生涯諦め続ける。
集中豪雨の日に光の輪のなかで煙草を吸う。
それは個人的な行であり十字架である。

なんて思う馬鹿な男は、やけに近い。

あたまンなかに文章のリズムが残っちゃってこまったもんだ。
続けて町田康を読もうか。
posted by tsukikohime at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 町田康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月19日

4月19日物語U : Taste of ・・


そうこうするうちに雪もほとんど降らない東京の春は往き、梅は咲き散り、桜も開き雨に打たれて散り、娘は中二になり息子は中学を卒業し高校生になりました。 
とは言え、中高一貫校なので、メンバーはほとんど同じく。

つきこさんは、外で働くようになり、ある資格を取るための勉強も始め、子育てやら家事の手抜きや人とのお付き合いを減らすことができない不器用なひとなものだから、限られた時間の中、削られていくのは、趣味の分野。

と、言い訳なんぞかましたところで。

頭蓋骨の上の右のほう、ちょっととんがってるというほどではないけれど、ほらそこらへん。 右手を持っていくと手のひらにすっぽり収まるあたりのそこ。
と、言いつつ触ってみると、かわいいわね、この頭蓋骨の形状って。
自分でなでても気持ちが良いのだから、ひとになでてもらったりするともっと気持ちが良いわけだ。 
で、そこらへんにボタモチくらいの大きさでいつも [ブログブログブログ本読み本読み本読みブログ本読み書きたい書きたい本読みブログ] というのがへばりついていました。

仕事って、あれね、16年ぶりくらいに働いてみたけれど、おもしろいわね。 わたしってまだ使えるじゃないの、なんて責任も生じるからそう簡単にやめるわけにはいかないけれど、仕事量は減らしましたですよ。 
勉強はやめないけれど。
まったくもう、ただでさえ、テンポのとろいわたしがあれもこれもあれもこれもって、無理に決まってるのに、何十年わたしという人間をやってるの、気づきなさいよっ!! ・・・と思います。

滅多に更新できないかもしれないけれど、ぜったいブログやめへんから!

さてと。

エッセイというものは、ふつうあれですよね、少し誇張はあるとしても、まあほとんど自分にかかわる事実をもとにして書いたりするもんですよね。 だからそう思って読み始めたわけですが、すぐに気づきました。 こりゃあ、ほとんど創作。
最初はちょっとは真摯な態度も見られるのですが、だんだん話が脱線し、大きく膨らんで妄想が入り混じり書いている本人も収拾が着かなくなって踊りだしたり、走り出したり、発狂したりのエッセイでした。

町田さんの超短編小説を読むつもりで読みましょう。

雄大な自然の景色を見た折などに 「あー、わたしはなんてちっぽけなことでくよくよしていたんだ、こんな壮大な自然の前では、こんな点にも満たないわたしの悩みなんてちいさいちいさい」 と、悩むことがばからしくなったりするとはよく聞くはなしですが、町田さんのエッセイを読んでいると真逆の方向から、あれもこれもの悩みや心配事があほらしくなって吹き飛んで行くという素晴らしい効果があります。

中島らもさんの 「明るい悩み相談室」と似た効果です。 

久々に声に出してまで笑っちゃった本でした。
タイトルは 「テースト・オブ・苦虫」ですが、読後わたしに及ぼした効果からすると、 
「テースト・オブ・ハニー」 でした。

                  オンライン書店ビーケーワン:テースト・オブ・苦虫 3
                 テースト・オブ・苦虫 3
                 町田 康著 
                 2006.11  中央公論新社


またね!!  (あー、やっぱ、書くの好き。)
posted by tsukikohime at 23:35| Comment(6) | TrackBack(0) | 町田康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月26日

10月26日物語 : ロックンロールな落語

やっとやっと 町田康 に辿り着きました。

手に入れた本がもう山崩れ起こしそうになっているのに、もっともっとと買い足して、 あーどれから読んだらいいものやらわけわかんなくってしまっている意識の片隅で、 ずーっと目の端にあってどうしようどうしよう気になってしょうがないけれど、 とっても美味しそうだからあとから食べよう、 あとから食べたって冷めるわけでも腐るわけでもあるまいし、 と意地汚い気持ちで取ってあった右側の本の山からついに取って読んでしまいました。

悲しくなるほど短い逢瀬の時間でした。

あっという間に読んでしまいました。


噂には聞いていたけれど 文章が踊る、走る、突き進むで、あれよあれよと一気にドライブ感に乗せられて最後まで行ってしまいます。

独特の、リズム感ある文章は、やはりこれは著者がパンクロック歌手だったからでしょうか。


気だるいんだか、カラ元気なんだか、人生成り行きまかせ、 お金が無くなるまで遊んで暮らして、無くなったらその時考えよう、 でも燃えるゴミと燃えないゴミと粗大ゴミはちゃんと分別しようよね、 世の中間違っていることだらけだよ、参っちゃうな、人のことは言えない自分だけどね、あっはっは!

何かが解決したわけではないけれど、 見上げればそこには変わらず空があり・・・、そんな読後感の 町田康 の デビュー作、 くっすん大黒


はちゃめちゃなナンセンス小説にも思えるかもしれませんが 町田康は、自分を取り巻く日常の異常をしっかり感じとる豊かな感受性を持っている作家だと思います。   文章の隙間に、社会に対する批判がこっそり隠れてます。


ロックンロールな落語 ・・・ 一言で表すと そんな文体でした。

あ〜 スプラッシュマウンテンではしゃいだような爽快感。 おもしろかった!

その後、選考委員のひとりである 宮本輝の 大反対!の声を押し切って きれぎれ が 芥川賞を受賞しました。


私は快適に読めましたが、 個性が強くて、好き嫌い賛否両論分かれそうな作家ですね。


オンライン書店ビーケーワン:くっすん大黒
posted by tsukikohime at 23:46| Comment(2) | TrackBack(1) | 町田康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする