2007年05月18日

5月18日物語U : 熊の場所

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熊の場所 舞城王太郎 

あいかわらずノリの良い文章で、テンポよくタンタンタンって
話は進み、内容だって、え?え?え?え〜!と、掴んで
放しません。

けど。
でも。
やっぱり、暴力が凄いですね、舞城さん。

娘も息子もかわいい表紙に惹かれて(?)読んでしまいましたが、
暴力だけでなくエッチ度も彼らにはきつかったかなぁ。

映画の中でバシバシ人は殺されていく。
テンポよくタンタンタンって。
ゲームにおいては自らコントローラーを操作して
タンタンタン! と殺戮して、はい5000点!

舞城さんの話も軽いノリで暴力が書かれている。
おもしろーいって読んでるけど、暴力に慣れて
しまいそうで、怖いわ。

第一話 「熊の場所」に
 恐怖を消し去るには、その源の場所に、
 すぐに戻らねばならない。

とあるけれど、暴力を書くことが、舞城さんにとっては
熊の場所に戻ることなのだろうか、と思ったりして。

第二話 「バット男」
殴られるやつと殴るやつがいるわけです、世間には。
そしてその立場は逆転することもありなんです。

第三羽 「ピコーン!」
村上春樹の 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』
の中の文章がまあ、あんなことに引用されて、 まあ・・。
この話の中の殺人は、昨日か一昨日の、母親の腕が
植木鉢にさしてあったというおぞましい事件
と一部似てなくもないところがありました。

そういえば、舞城さんの別の小説にも村上春樹好きの女の子
が出てきましたね。

わたしにとっての「熊の場所」はどこだろうか、なんだろうか
と考えてみましたが。

・・いやです。 熊の場所なんて戻らなくていいです。
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posted by tsukikohime at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞城王太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月03日

2月3日物語 : またチャッチャッチャッチャッ


終わったー。 1日校、2日校とも合格したので3日校は受けに行かず、海ちゃんは小学校に行った。 小学校に行っても受験しない6年生が5人くらいしか登校してないので、授業はなく(授業にならない)先生と遊ぶだけらしい。 はー。 終わった。 めでたい。

帰ってきたら、ブックオフに行き、「足がしびれるほど」 居たいそうだ。

私も「腕がしびれるほど」 買ってしまいそうだ。


1月30日物語で紹介した 舞城王太郎煙か土か食い物を最後まで読み終わった。

読んでいる最中も わー凄い作家に出会えて嬉しい嬉しいと思っていたが、本当に最後まで飽きさせず、最後の最後にがっかりさせられるような小説も少なくないが、これはもう最後の最後の一行までよく出来ていた。
30日にも書いたように 奈津川家の四男、四郎が主人公であるが、四郎というからには一郎、二郎、三郎も居て、全員秀才の一家だ。  チャッチャッチャッチャッとリズムに乗って四郎の行動も思考もそして文章の流れも進んで行き、ミステリーの仕掛けも謎解きも素晴らしいが、そんなことがデザートに見えてしまうくらい、親子、兄弟の逃れられない濃密な愛憎劇がメインの話であるなあと思った。

しかし、全編、暴力シーンが激しくて多いです。

最後の方は、もう連続で何人もの人が刺されて倒れる。  さすがERの外科医、四郎がチャッチャッチャッと応急手当をしていくのですが。

あまりにも魅力的で強烈なキャラ、四郎を代表とする奈津川家の物語。 もっと続くべきだ。 もっと奈津川家の話を読みたい。

舞城さん、もっと奈津川家の話を書いてほしい。 と思ったらやっぱりある。

奈津川家の三男、三郎(作家業)が主人公の話や、三郎の友人で探偵のルンババ(ふざけた名前だ)が活躍する話もあるらしい。 (このルンババは、煙か土か食い物の中で二十一ヶ所も刺されて殺されてしまうんですが)

奈津川家の話でなくてもいいから 舞城王太郎が書くもの、もっと読みたい!

オンライン書店ビーケーワン:煙か土か食い物 煙か土か食い物 舞城 王太郎〔著〕 2004.12 講談社
posted by tsukikohime at 10:54| Comment(6) | TrackBack(0) | 舞城王太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月30日

1月30日物語 : チャッチャッチャッチャッ

あと2日だ。
海の中学入試。
2年前の空の時もこんなに気持ちが落ち着かなかったかしら。

空は、塾や小学校(海と空の小学校では96%ほどの生徒が中学受験をする)の他の母親に比べて、どうも自分の母親はへらへらとのんきにしているように見えて仕方なかったらしく、かなり危機感を覚えていたようだ。

「受験生の母親としての自覚ある?」

「はい、あります」

「例えば?」

「あなたの食生活、体調の管理及び時間の管理に大変気をつかっております。」

「うーん」

「他にどうしろと?」

「いやあ、なんかちがうんだなあ」

「どこが?」

「ちがうんだよ、どこかが」

「ま、がんばってねー、アイしてるよー」

「うーん・・・、がんばるよ、もちろん」 と釈然としない顔であった。

で、ずいぶんとがんばったらしく、受験した学校は全部合格した。


海はちがう。

おもいっきり落ち着いているのだ。

中学受験なんて30回くらい経験した事あるみたいに落ち着いているのだ。

「だいじょーぶ、だいじょーぶ、受かるから。」

何を根拠にそんなに自信があるのかわからないが、落ち着き払っている。

空のほうが心配して 「中学受験を甘く見てはいけない!」 と海に言うのだが、 「だーいじょうぶ、だいじょーぶ」 と返されてしまう。

海には私の知らないコネでもあるのだろうか・・・。

あと2日だというのに、昨夜もさっさと寝てしまうし、今日も昼寝している。

「最後のほうなんて平均睡眠5時間くらいだったよ」と空は言う。  夜中に目が覚めて算数の問題をよく解いていたっけ。 

もう知らんぞ、あと2日だ。

私が勉強したって仕方ないのだし、気をもんでもしょうがないのだけれども、なんだかなあ。

不安。

不安ではらはらドキドキうろうろ。

だけれども。  だけれどもこの不安、心配、はらはら、どきどきうろうろの膜をはがすと、その下にその膜をぐいぐいせり上げて破けちゃうんじゃないかと思うほどのヨロコビの塊がまんまると控えているのである。

くくくっと笑みがこぼれそうだ。

「ふふふ・・ 受験が終わったら、受験が終わったらー・・・、くくっ」

もう、本をたーくさん読んで、CDをがんがん聞いて、ギターをギュインギュイン弾いて・・。

・・っと、うーん、今もやっているなあ。

そうじゃない、本当に一番おもいっきりしたいことは、わかってる。

自分自身の抱える問題に取り掛かりたいのだ。 まっすぐ向き合って、とことん没頭して悩みの泥の中に身を沈めたい。 気になるあのこと、気がかりな問題、放り出したまんまのあれこれ・・・いつも思考を中断せざるを得なかったし、自分をぐしゃぐしゃにしてしまうわけにはいかなかったから。
2,3日、休暇をもらって泥の中に沈みたい。 ぶくぶくぶく。
お子ちゃま用ドーピング(?)剤


本は読んでいます。 読んでいるけれど、さすがにここ数日、気が散る。 残念残念。

読んでいて悔しい。  久々におもしろいものを見つけちゃったのだ。 それなのに受験まであと4日、3日、2日・・と気になってしまって、心の底からこの本に出会えたヨロコビを満喫できない。

う、でも嬉しい。 舞城王太郎(まいじょう・おうたろう)
名前は知っていたが、舞城王太郎だったか王城舞太郎だったかどっちだったっけ?くらいの認識で、でもいつか読みたいと思っていた。 舞城王太郎です。

作品名は、煙か土か食い物

タイトルから内容が想像できませんでした。 内容についてはなんの前知識もなかったので、途中から驚いた。

出だしからやけに調子よくチャッチャッチャッと患者を切り刻みチャッチャッチャッと縫い上げる腕の良い外科医、奈津川四郎が主人公で、外科医の仕事はやることもリズムも板前の仕事に似ているなんて言っている。

〈俺は腕がいいからチャッチャッチャッチャッと目の前の仕事をこなしている間にいくつか立て続けに命を助けることがあるので、そうなると自分が神になったような気がしてくる。〉

サンディエゴの病院で睡眠不足でもハイテンションで仕事をこなし仕事の隙間に何人もの彼女と付き合っている様子。

町田康と同じようなリズム感で、のっけからその早いスピードに乗せられて止められない。

その忙しい外科医に日本から連絡が入る。 母親が怪我をしたから帰って来いと言う。

空港までポルシェを飛ばし飛行機で成田へ向かい、ライナーで東京に行き新幹線で米原まで行き特急に乗り換えて福井に入り故郷の西暁に着いたときもまだ手術着を身に付けたまんまだ。

ああ、まさか、これがミステリーものだとは。 途中で気付いて驚いた。
四郎の母は、連続主婦殴打生き埋め事件の被害者となっていたのだ。

「俺が犯人を見つけ出してやる」と素晴らしく回転の速い頭脳で犯人の残した暗号を解析し謎を解いていく。

いやあ、おもしろい!! 退屈しません。 

途中、四郎の兄の三郎(作家業)と悪友の愛人うさぎちゃんのこんな会話があった。

「まあね。 サインいる?」

「いらなーい」

「だろうね。 君はどんな小説読むの?」

「えっウサギ? ウサギはねー村上春樹とかー町田康とかー」

「二人とも立派な作家やんか」

「でも町田康は阿呆みたいだよー」

「うーん。 あれはわざとあんなふうに書いてるんであってやねー、 『くっすん大黒』なんか、ドライヴ感凄えと思うけどなー」

舞城王太郎煙か土か食い物は、デビュー作で第19回メフィスト賞を受賞した作品です。


受験生の母、付き添いの為、体調万全にするために早めに寝ます。 

海ちゃん、大丈夫かなあ、頼むよ〜。 

もっと読みたい!!

舞城王太郎 煙か土か食い物 講談社文庫

オンライン書店ビーケーワン:    
posted by tsukikohime at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞城王太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする