2007年10月26日

10月26日物語V : 今日3回書いてるね


7月に本屋で宅建の基本書を立ち読みして
あまりにもおもしろそうだったので
購入してでも読みきるのに一ヶ月かかり、
わかった気になったわたしは8月に入って過去問を
やってみたもののほとんど解けず、
それから真剣に勉強を始め(ようとし)ました。


仕事を終わって家に帰るとすべき家事が目について、
休みの日もやっぱり家に居ると家事をしたくなってしまうので
勉強時間が取れないぞーとあせっておりましたところ
あるかたが
「自分の場合、家に帰ると勉強が出来ないので
会社帰りに必ず喫茶店に寄って2時間くらい勉強してから
帰った。 それを勧める。」
と言って、 
「長居してもテキストを開いても後ろめたくない
居心地の良い喫茶店」というものを教えてくれました。

さっそく仕事帰りに寄って、うん確かにここは勉強している
人々が多くて、長居しても後ろめたくないぞと感じたものですから
通うことに決めました。
何回か通ったある日のこと。
わたしのテーブルを指でとんとんと叩くものあり。
目をあげると、すーっと封筒を差し出されました。

やばっ。 店の人からのご注意だろうか。
しかしなにも封筒で。
と思い開いてみると。

は?

途中まで読んでその紙をテーブルの端に押しやり
勉強を続けました。
いま難解な問題を解いてる最中なのよ。
さっきの出来事はなかったことにして
勉強を続け、ふと気配を感じ目をあげると
さっきの初老の男性が向かいに座っているでは
ないですか。

「読んでいただけたでしょうか?」

黙ってテキストに目を移し、
勉強を始めると
ひとりで勝手に身の上話をはじめました。
それでも無視しているといったんは離れてくれましたが、
またしばらくするとわたしの目の前に座っているので、
わたしは店を出ました。


手紙の中身がちょっとおもしろく
帰って子供たちに見せようと思い持って帰りました。

そこにはさっきの男性の(たぶん)
住所、氏名、電話番号、生年月日、本籍地等が書かれ、
“結婚を前提に” お付き合いしたい云々と
書いてあったのです。

なにがおもしろかったのかというと、
すべての漢字にごていねいに ふりがなが
ついていたのです。

つきこさんは たしょう は かんじ よめます。


わたしはその店を教えてくれたひとに
「あの店、ひどいじゃないのよ〜!
ひとが真剣に勉強してるのに、ナンパされた」
と理不尽な文句をつけ、 彼に謝らせました。
ごめん、理不尽だった。


10月になり、勉強をする時間が取れず、
家にいてはつい家事ばかりしてしまうわたしは
洗濯物や茶碗や炊飯器のない世界で一泊ぶん勉強をしまくろうと、
・・だって試験一週間前の模試で予想合格点よりも8点も
低くあせりまくっていた・・
こどもたちのりょーかいを得てホテルに泊まることにしました。

勉強しまくりしまくりさすがにお腹がすいて、
ホテルのレストランに行きそこでもテキストを
開いていると、
「おじょーさん、おひとりならご一緒に
お食事しませんか」 
と初老の男性が。
勉強しまくりで頭が朦朧としていて反応が遅かったわたしの
態度を “了承を得た” と思ったのか彼は座り込みました。

そして、ほとんどずーっとひとりで、
いまは退職して
こんな会社をやっているとか、 趣味はなんだとか、
10年前に妻と別れて いま新しく妻になってくれる人
を探しているとか、 
しまいには “結婚を前提にうんぬん” と
名刺をおいて去っていきました。


わたしはきづきました。
最近、お声をかけてくる男性の年齢層がぐーっと
あがっていることに。
それも“結婚を前提に” というよりも
“介護を前提に” というくらい、ぐーっと
あがっていることに。

わたしは勉強のしすぎで
かなり老け込んでしまったのですね。

というか、実年齢も、イッチャッてますが。

いちおうつきこさんはマダ既婚者。
posted by tsukikohime at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

10月26日物語V : なにから

さて、なにから読んだらよいのか
混乱気味のつきこさんです。

家にはけっこう未読の本が山積みされており、
大地震がこないことを祈っておりますが、
どういうわけか、どれも手を出す勇気というか
判断力というものが。
選ぶのが怖い。
選ぶのが怖いって、わかります?
本を読む方ならきっとわかってもらえるでしょう。


仕方ないので高1の息子の部屋に入ると
カヴァーがかかった新書らしきもの。
めくってみると、
ああ、これは昨年の夏休みの課題
「なんでもいいから新書から一冊選んで
感想文を書け」 というやつ。

本当になんでもいいと思ったのでしょう。
タイトルは「頭がいい人、悪い人の話し方」
PHP新書 樋口裕一著


息子のベッドに居座りぱらぱら読んでみたけれど
10分も読めませんでした。

まったくおもしろくもなんともなく
「なんでこんなもん買ったのよー?」

「新書のコーナーの一番手前のところに山積みされてたから」

「おもしろくないじゃないよー」

「だろ?」

って。

あーあ、なに読もう。
posted by tsukikohime at 08:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月24日

10月23日物語V : 宅建でした

10月21日の日曜日、試験を受けてきました。
この3ヶ月ほどのあいだ、
友人知人隣人愛人変人恋人成人たちにつれない態度で
(でも5回くらいは飲みに行ったじゃないよー、
ゆるして)
基本書と過去問集で自宅でがんばってみました。

50点満点中、7割は取れるように目標を置かなくては
合格できないということになっているのですが、
わたしはひじょーに微妙な点を取ってしまいました。

34点です。
ちなみに、H18年の合格点が34点、
H17年の合格点が33点、
H16年の合格点が32点、
H15年の合格点が35点だったそうです。
今年の予想は 35±1 なんですって。

受かってるとも落ちてるとも判断がつかない点を
取ってしまいました。
ひじょーに微妙。
微妙だー!!

しかし4ヶ月前まで宅建のたの字も関心がなかった
わたしにとっては、
びみょーなところまでたどり着けたことが
ひじょーに嬉しいです。

そして、勉強は辛かったけど
ものすごくおもしろかったです。
勉強時間を生みだすのがなかなか難しかったため、
夢の中に問題が出てくると、
わぁい ラッキー!!と思い、解きました。
夢の中でもちゃんと問題集が出てきて
ページをめくって本当に考えて解くことができるのって
不思議です。
ただ、夢の中では回答集が出てこないため
目覚めてから回答集をめくって正解を探そうとします。
しかし、そのときには夢の記憶はあやふやになり
結局正解がわからなかったりするわけです。
あはは・・。

落ちたら来年は学校に行こうと(最初のころは
来年受けるかどうかあまり乗り気じゃなかったくせに)
思ったりしたこともありましたが、
ここまできたら
来年もどうにか自力でがんばってみます。

根をつめて勉強していると、あるとき突然 
「おもしろい」
がやってくるもんですね。

なんか癖になってしまいそうです。
他の国試も受けてみたくなってしまいました。

でも小説が読めなかったなあ。

世間では、素晴らしい素晴らしい本が
何冊も何十冊も何百何千と店頭に並べられていたのに
違いない。

本はきっとわたしを待っていてくれている。
待たせてごめんね。
posted by tsukikohime at 01:43| Comment(2) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月20日

8月20日物語V : というわけなの





↑ サンタナ、 ね。

本屋さんでいつもと違うコーナー、資格・試験のコーナーに行って
手に取ってしまったのは、よく耳にするある資格の本。
開いてみたらけっこうおもしろくて。
それが7月1日のことでした。
試験申し込みの期日が7月の末だったので、
もしかしてイケルかもと思いとりあえず願書を出しました。
小説はほとんど読まず
ちょうど一ヶ月かかってその資格本を読みきり、
わたしはイケルかもと思っていたのに
まわりの人たちからは無理無理無理無理、
独学で3ヶ月の勉強では
無理無理無理無理と言われ。
そんなこと言ったって
初めて学習する人向きに短期間で合格を約束してくる
学校なんてないみたいだし。
どこも締め切っているか、
高いお金出して毎日のように通うところ位しかなくて。

無理無理無理無理って4回も続けて言うこと
ないじゃないよー、みんなぁぁ。

もうこうなったらやるだけやるわよ。
過去問集も買って
8月の1日から取り掛かり、
あ、こりゃあ、ホントに無理かもと気付きました。
甘かった。 ごめんなさい。
読み物として読んでるときはおもしろかったのに、
過去問はほとんど解けません。
読んで納得しただけでは解けないのですね。
10月の半ば過ぎに試験があります。
あ、バレた? 
無謀さがお恥ずかしいわ。

それまで小説が読めないかなあ・・。
来年もこんなことやりたくないなあ。
今年中に受かってしまいたいなあ。
落ちたら来年もトライするかなあ。
どうかなあ。
知識としてはおもしろいけど
その資格を使って仕事したいとは
思ったこともないのに。
止めることができないこの性格が恨めしいわ。

乗船してしまった。
さっさと港にでも島にでも着いておくれ。
そしたら鞄から本を出して読もう。

夏はサンタナっしょ! 

えーん。

試験前までにもたまに書きます。 
本のことじゃないだろうけど。

えーん。 つきこさんのばかあ。
posted by tsukikohime at 01:47| Comment(4) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月15日

7月15日物語V : やっぱ色気でしょ



arcic monkeys  




my chemical romance  




bon jovi  


と、3枚のCDをいっぺんに手に入れて
3枚連続で聞けるCDチェンジャーで一日エンドレスで
かけっぱなしにしていて家事の合い間合い間に
耳に入れてますと、
初日などは、はていまかかっているこの曲はボンジョビか?
マイケミカルロマンスか?アークティックモンキーズか?
と、混乱することがありました。

そりゃー、声質がちょっと似てたり、音がちょっと似てたり
するわけで、落ち着いて耳を傾ければ、
エンドレス3日めには、
ひゃあ、申し訳ない、混同したりして! とそれぞれの
ミュージシャンに頭を下げるつきこさんでした。
いやあ、つきこさんとしたことが
あいすまぬ、と思ったわけです。

好きなタイプのサウンドをみっつも手に入れて
至福な思いをしていましたが、
ボンジョビボンジョビボンジョビマイケミマイケミマイケミ
アークティックアークティックアーックティックというふうに
かかってくれないもんだろうかと勝手なことを思うのでした。

やっぱり一番音も声もいろっぽいのはマイケミかな!と
なんでも色気で決めるつきこさんなのでした。

そうよ。 なんでも色気で決めるの。
野菜を買うときも。 牛乳を買うときも、 
蜂蜜を買うときも、 ハムやチーズも。
まあ! いろっぽいピーマン!
まあ! ぐっとくるコーヒーカップ!
まあ! ぞくぞくするお茶漬けの素だこと!
まあ! そそられちゃう日傘だわー!

 
どこまでどうなんだかわたしのはなしは。
  
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2007年05月13日

5月12日物語U : BABEL

DVC00004.JPG

まばたきをぱちぱちと早いスピードで20回くらいしてみるでしょ。
BABELを観たあと、目をつむったままでそんな感じを
味わえちゃうんです。 眠ろうと目を閉じると。

あの、気分が悪くなった人が続出というシーンのせいですね。
観てて、あ、ここかとわかったのですが、全部見てないと
なにかこの映画の核になる重要なものを見落としてしまうかも
という不安で、なるべく目を閉じないでいようという気持ち半分
と、ここでしっかりみてしまったせいで、気分が悪くなって
途中洗面所にかけこんで結局話がわからなかったなんてこと
になってもなぁという気持ち半分で、
3秒くらい目を閉じるのを何回かやりましたが、
目を閉じても、まぶたを通して点滅する光は飛びこんで
きました。
気分は悪くならなかったけど、
あの3秒×数回のあいだに重要なものを見落としたりなんか
してないわよねぇと、ちょっと不安。

おもしろかったかどうか?
わたしは好きです、ああゆうの。
でも、一緒にみた人は、わけわかんないと言ってました。
好みでしょう。
勧善懲悪や派手なアクション、起承転結を求めて観てはだめです。

キルビルという映画がありますが、
なぜか、思い出してしまいました。
なぜだろう。
posted by tsukikohime at 01:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月04日

5月3日物語U : ゴールデンウィークのある一日

大掃除というのは、5月の連休の晴れた日にするのがいいとは思いませんか。
思うので、毎年家中ひっくり返したような騒ぎでやります。
子供たちもまきこんで。

食器戸棚の引き出しから素晴らしいものを発見しました。
空くんと海ちゃんが幼稚園の頃に作って母の日にプレゼントしてくれた
「おてつだい券」です。
「おてつだい券」は母の日の伝統的かつ代表的なプレゼントです。
わたしもこどものころ作って母に贈った覚えがあります。
ちびまるこちゃんも、いそのかつお君も作ったに違いありません。

よくよくみると、なんとも素晴らしい券で、 
「かたたき券」 「おふろそうじ券」 「ちゃわんあらい券」に加え、
「なんでもいうことをきく券」が付いているじゃあありませんか。
こんな素晴らしい券を使わなかったなんて。
宝の持ち腐れです。 きっと 「もしも」のときに使おうと取っておいたに
違いありません。
んなわけはなく。
「おてつだい券」 というのは、もらってから10年、20年たってから
ひょっこり食器棚の引き出しの奥のほうから出てきて、
「あー、こんなものをプレゼントしてもらったわねえ、」と懐かしむか
子供をからかうときのために取っておくもので
実際に使ったりする母親はあまりいないのではないでしょうか。
これは、大切な思い出の品。
原本は大事に取っておかなくちゃ。 

コピー機のふたをあけてそれらの券を並べて10枚コピーし、
はさみでちょきちょきと切っていたら、それを見た息子に
「ふざけるな!」 としかられてしまいました。
ま、考えてみれば普段から頼めば茶碗でもお風呂でも洗ってくれる子らでした。

「ふざけるな」といえば、 わたしは空くんの高校の家庭科の課題に
その言葉をぶつけたい。
いや、「ふざけるな」とまでは言わないけど。ちょっと思った。

夕食を作ってレポート提出だそうです。
ご飯、汁物、主菜、副菜、副副菜。
栄養バランスを考えてメニューを考え、材料の買い出しから
段取り手順も考え、分量もきちんとはかり、出汁はもちろん昆布や鰹節などから
取り、後片付けもし、それを食した家族の感想と自分の感想、証拠の写真多数
および、行動のすべてを書き出して提出するんだそうで。

一年生の一学期の家庭科の単位は6単位。 そのうち5単位が家庭での料理製作で、残り1単位は、その説明授業に出席することでもらえる。

なんという家庭頼みな課題!

この課題に取り組むことで発生するもろもろの効果、意義は素晴らしいものだとは思います。

しかし、思ったとおりふたりでメニュー決めから買い物、料理と、
一日ががりのお仕事となりました。

「おかあさーん、ぜんぶやって〜。 写真とレポートは俺がやるからさあ。」 
みたいな子供だったらどんなに楽だっただろうか。

「くちはおもいっきり出してもらうが、手はいっさい出すな」

これがどんなに大変か。
いつもは目分量で入れていた調味料を小さじ何杯とか何グラムとか割り出すのが
どんなにめんどうか。
あ〜、手を出したい。手を出したい。 
 
.soraryouri

おしながき
・胚芽米ごはん
・とりのだしスープ (はるさめ、人参、たけのこ、しいたけ、さやいんげん)
・蕗とつくねの煮物 (蕗、とり挽肉、ねぎ、しょうが)
・サラダ (ひじき、アボガド、トマト、水菜、オリーブオイル、ワインビネガー)
・えびとふわふわたまごのオイスターソース炒め 
(チンゲン菜、きくらげ、たけのこ、えび、卵)


おいしかったです。
1時間もあれば作れるものを3時間半かかりました。
空くんは料理に興味を持ったそうです。
そりゃーよかった。
ま、楽しかったけどね。 
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2007年02月02日

2月2日物語U : わあい!!


わあい!! できたできた。アップできた。
うれしくって、調子に乗っておしゃべりを。

海ちゃんも空くんも昨日から日曜日までお休みです。
東京の中学受験は2月1日から本番が始まるのです。
そう、1年前に海ちゃんが、3年前に空くんも受験しました。
時が経つのは早いものです。 
わたしも年を取るわけだ。 とお決まりのフレーズを言ってみました。

今日は暖かくて穏やかな天気で受験生には良かったね。

小5あたりから塾に通って勉強に追われるのは可哀想と言う人もいますが、 高校受験がないため、中学3年でも部活に励み、 「毎日おもしろくてたまんない! 俺は青春を謳歌してるぜ〜!!」 とほんとに能天気な顔で毎朝楽しげに登校し、どろどろに汚れて帰ってくる空くんを見ていると、15歳で受験勉強に追われなくても済むというのも、良いもんだなあと母は思うわけです。

とはいえ、 大学合格率の実績をアップさせたいため、かなり厳しい授業体制となっており、海ちゃんも入学以来、 毎日少なくとも3時間は宿題課題に追われているし(海ちゃんはなにごともスローペースだから人より時間がかかっているだけかも)、 空くんの学校の場合、 高校部に入ると、
一教科落としただけで留年という厳しい現実も控えており・・・。  
ねえ! 空くん、どうすんのよっ!! 幾何と代数の宿題、やりなさい!

受験生、がんばれ。 
posted by tsukikohime at 01:28| Comment(4) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月11日

1月10日物語U : 音楽の話題

わたしが仕入れたCDを息子と娘が取っていく。
ひとりがCDで、もうひとりにはMDを焼いてあげる。
しかたないから、別のCDを聞いていると、「お、それいい!」とまた持っていく。 5枚くらいCDとMDの循環をやっていると、しばらく落ち着くみたいだ。
趣味が似通ってしまったのは、幼い頃からわたしが音楽の情報発信源だったのだからしかたないのだけど。

今年、じゃなくて去年、ふたりが一番はまってしまったのは、
James Blunt の Back to Bedlam と、
Rob Thomas の ・・Something to be

なかなか戻ってこないから、 Jason Mraz を聞いていると、また持っていかれてしまった。

返しておくれ、おかあさんに。

ジョン・レノンの忘れ形見、ショーン・レノンの新譜が出たから買いました。
なんだかすぐ廃盤にされそうな気もするのであわてて手に入れました。
声はジョンにそっくりです。
そして初期〜中期のビートルズっぽさもあって(ショーンのサービスだと思う)、ソングライターとしての才能もばっちり受け継いでいるので、こりゃあもう、うふふです。  うっふっふです。
うっふふふふー。 (あ、ヨロコビの笑いが止まらない) 

ショーン・レノンって、確か“太郎”っていう日本名があるんですよね。
ジュリアン・レノンという長男がいるのに、“太郎”って、ジュリアンがかわいそうな気もします。
ジュリアンは、なにしてるのかなぁ。 彼の声もジョンと生き写しで好きなのに。

昔、ショーンのほっぺたを触らせてもらったことがあるつきこさんでした。


え、本?
読んでます、岩井志麻子と中島らも。
岩井志麻子のほうは、投げ出したくなっています。
posted by tsukikohime at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月01日

1月1日物語U : おみくじ

あけましておめでとうございます!!


中吉 ???n?[?g


・笑顔の多い1年となるでしょう。
・今年の努力が近い将来のあなたのチカラとなるでしょう。
・けっこういい感じ!の1年になるでしょう。



本年もよろしくお願いいたします。

                                 
posted by tsukikohime at 03:13| Comment(4) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月26日

12月26日物語U : つきこさんです。


こんばんは、昨日のクリスマスは楽しく過ごせましたでしょうか。
今夜、東京は激しい雨です。
久しぶりに R.STONESの「山羊の頭のスープ」など聞きながら。

我が家には今年もイヴにサンタさんがやってきました。
未だにサンタさんの存在を信じてくれている中一の娘には、希望通り 「握力測定器」。
中一のときにばれてしまった中三の息子には、希望通り 「3DCG制作ソフト(シェイド)」が届きました。
どちらも探すのに手間取りました。 
シェイドというCG制作ソフトは普通には店頭に置いてないものらしく、手に入るまで時間がかかりました。
握力測定器は普通には店頭に置いてないものらしく、 手に入れるのにちょっと時間がかかりました。
なぜ握力測定器? それは・・。 それは、わかりません。 

つきこさんです。
なんやかんやあったけど、どうにか。
本も読めなくなって、ギターも弾けなくなって、ブログも書けなくなって。 
病院のはしごをしたり、ばたばたと、肉体的にも精神的にもマイって、 ついには、足ツボマッサージにはまり、気功にはまり、黒魔術にはまり、名前も変え、100万円の印鑑も買い、300万円の壺を買い・・ ← うっそだよー。
こんなふうだから、私の具合を心配して様子を見に来てくれた友人達は皆、「まったく変わらない」と褒めてくれます。

でもサンタさんっているのね。
25日の夜に素晴らしいプレゼントがあって、復活できそうな気分。

今日はリハビリです。
本のことを書かないときもあって、おしゃべりだけの日もあるだろうけど。
またよろしく。できたら嬉しいな。

ちなみに私の握力は、右手が35、左手が31でした。

ふっ、 どうよ!!
posted by tsukikohime at 22:33| Comment(8) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月12日

8月12日物語U : オレオレタイム


話は変わりますが。 と、どこから急に変わったのかわかりませんが。 
オレオレ詐欺のお話を。

7月の初旬頃だったでしょうか。 息子の同級生のお宅にお茶しに行きました。
息子たちは学校に行っている時間です。
彼女のお宅は、なんというのでしょうか、某企業の社長様のおうちでして、 アメリカに行っても、 韓国に行っても、 リビアに行っても、 カザフスタンに行っても知らない人はいないでしょう、その企業名、 というようなお宅なのですが。

広い敷地の 「適当に止めて」 と言われるままに適当に車を突っ込み、 玄関に入り、 いったいこのリンカーンコンチネンタルでさえ納まりそうな玄関のどこらへんに靴を脱げばいいのよと手土産の麩饅頭を持ったまま たたずんでいると、 「ねえねえ、すっごくおもしろいことがあったのよ、聞いて!」 と彼女が勢い込んで話すには。   
あ、靴はど真ん中に脱ぎました。

「オレオレ詐欺から電話が掛かってきちゃったのよ!」

「えー、いつ?」

「先週の金曜日。」

「で、どうしたの? 騙されちゃったの?」

「それがねー」 

泣きながら息子(にせもの)から電話が掛かってきて、 「お母さん、 人を怪我させちゃった」 と言うのだそうです。  
しゃくりあげて泣いているしちょうど声の感じも15歳くらいの雰囲気だったので、 息子だと思ってしまったそうで。
「どうしたの」 と聞くと、 通学で使う駅のホームで電車に乗り込もうと走っていたら鞄が人様に当たってしまい、 怪我をさせたと。 その上、 その人の高価(!)な眼鏡も割れてしまったと。

そこで、 すっごく素敵な声の男性(彼女曰く)に電話は代わり、 「こいつ、 人に当たっておきながら逃げようとしたからとっ捕まえて、 今、駅前の俺の車の中に連れてきたんだよ」と。

「えー、 電車に乗ってた人がどうして駅前に車を置いてあるの? 変だと思わなかったの?」

「思わなかった」

「人にぶつかっておいて謝りもしないで逃げようとするなんてどういう躾をしているんだ」 と怒られて、 すみませんと謝ったの。

「息子は預からせてもらって、 きちんと俺が躾をし直してやる」 と言うから、まあ、 今どき、何て親切な人なんだろうと思ったの。

「思ったの!?」

「思ったの」

「拉致じゃない!」

「でも、 他人の息子の躾を見てくれるなんて言う人、 そうそうはいないでしょ」

「いないわよ」

「最近の若者論とかを語りだしてね、 それが、とっても立派な話で、 うん、うん、ってね、納得しちゃうのよ」

「・・・」

「声も渋くて素敵で、なんかこう聞き惚れちゃうのよ」

「そう・・」

「少し仕事をさせて社会というものの厳しさを教えてやるって言うものだから、 それもいい機会かもしれないって思ったの」

「思ったの!?」

「うん、 で、どのくらいの期間ですかって聞いたら」

「聞いたんだ」

「3ヶ月くらいかなって」

「それ、 誘拐じゃない!」

「でも、 ちゃんと躾けて育てたつもりだったのに、 人様にぶつかって謝らないなんてうちの息子が悪いわけじゃない?」

「学校はどうするのよ、 中学生なのよ」

「学校の勉強はあとからどうにでも取り返せるけれど、 基本的な躾はなるべく早いほうがいいじゃない」

「・・・それで?」

「どんな仕事をさせるのかな、 まだ15歳だし、 肉体労働かな、 それとも年齢をごまかしてホストクラブとかかなって思って、 『どんな仕事をさせてくれるのですか?』 って聞いたのよ」

「そしたら?」

「『うっ』 って口ごもって、 がちゃんって切れちゃった」

「それ、 『オレオレ詐欺』 だと途中からバレていて馬鹿にされたと思ったのよ、きっと」

「電話が切れてから、気づいたのに」

「この話、 ブログで書いてもいい?」

「もちろん、 いいわよ。 『オレオレ詐欺』の手口が少しでも多くの人にわかってもらえるようにでしょ?」

「・・・それもあるけれど。 あなたの受け答えが、一般的じゃないというか。 その・・、おかしすぎるから」

「そうかしら」

「そうよ」

「そう?」

「うん。 あっぱれ」

昨日、 彼女から 「あれからまたオレオレ詐欺から電話があったのよー!」 と嬉しそうな声で報告がありました。

「今度はどうしたの?」

「お兄ちゃんが出てね、 『これは弟の声じゃない』 とすぐ見破ってしまってすぐに電話を切っちゃったんだって。  もっと長く話せばいいのに、 もったいない!」

「お宅、 狙われてるみたいだから、 また掛かってくるわよ」

「うん、 まだリストからはずされてないと思うのよね。  だいたい金曜日の午前11時頃がオレオレタイムらしいのよ。  なるべく外出しないように待ってるわー」

 

皆さまも「オレオレ詐欺」に、お気を付けくださいませ。
posted by tsukikohime at 02:11| Comment(2) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月01日

8月1日物語U : 緊急のお知らせ


こんにちは、 緊急のお知らせです。

私のブログのこの左側の お気に入りリンクのところに登録してあります 
「ばーさんがじーさんに作る食卓」 が、NHKの番組で取り上げられ放映されるそうです。

ため息がこぼれちゃうほど素晴らしい料理の写真と作り方を紹介してあり、 栄養バランスもよく、 私も度々そのレシピをプリントアウトして参考にさせていただいております。 器や盛り付け方、テーブルセッティング等も参考になります。
しかし、なかなか写真のようにはいかない・・。
奥様が料理担当、 写真は旦那様です。


   *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  

[sesentaから、ちょっとお知らせ]
NHK教育テレビ「趣味悠々」の「中高年のパソコン講座・ブログに挑戦してみよう」で、私どものブログが取材を受け、紹介していただくことになりました。(8月1日(火)10:0010:25pm)ほんの数分ですが、顔も出るようですので、大弱りです。皆さまのイメージをこわさないために、あまりご覧いただきたくない気もしますが、あとでお叱りを受けるといけませんので、とりあえず、お知らせまで。
私ども自身も内容を知らないで、さて、どんなふうに「料理され」ていますやら‥

[追記] すみません、上記の放送時刻は「夜10時」です。「22:00」と書くべきだったと反省しております。どうか、ビデオのセットが未だですように‥

   *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *
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2006年05月10日

5月10物語 : 蓬の野

ずれている、と思う。
道に迷っていると思う。 
迷子だ。

ずれている。 きっと正しくはない。 ちがうところに向かっている。
振り返ると、人々は小さくて、ぐっと目を凝らしてよく見ると、皆がわたしとはちがうほうへ歩いている。
人々の横顔は小さく笑っているようにも見えるし、かすかに怒っているようにも見えるし、前だけを見てただもくもくと歩いているようにも見える。 
よくわからなくて、ポケットをたたいて望遠鏡を探すふりなどしてみたが、もとよりそんなものを持っているはずもないことはわかっていた。 ほんの少し努力しているふうにしてみたかっただけだ。 目になにかまぶしいものがちかちかと突き刺さり、確かめることはすんなりあきらめた。

迷子だ。
 
それは違いますよ。 迷子ではありませんよと声が聞こえる。

声は少しかさかさしていてひんやりとふるふると震える。
気持ちの良いその声は、どこかで聞いた声で、 ちょっと頭を下げて胸を見たら、自分の声だと思い当たった。  
わたしはいろんな声が出せるのね。  
そうですか?  いつもあなたにはやさしい声で話しかけていますよ。  
そうでしたか、それはどうもどうも、ありがとうございます。  
いえいえどういたしまして、だってなによりわたしはあなたが一番大切なんですから。
少し、ぎくっとする。
150年間愛していたいただれかに、いっしょに暮らしませんかとささやかれたように頬が熱くなる。
どうしたの? と顔をのぞいているようなので、 頭がもやんとした。
黙っているとずっとのぞいているようなので、 「わたしは恥ずかしがりやなので」 と出まかせを言って、のぞくのをやんわりやめさせた。 

わたしは迷子ではないのですね。

道草を食っているだけですよ。

ずれていないのですね。

あ、ずれてはいますよ。

「えっ」

小さく驚きの声を発すると、 「だって」とか 「ずれるという概念は」とか 「比較対照が」とか 「語彙力が」とか 「腹蔵ない」とか、ぐちゃぐちゃとつぶやくのが聞こえてきた。

わたしはつまらなくなって道端の草を見た。  あれはヨモギだろうか。  あるかなしかの風につままれて綿色の葉裏を見せている。

「あの」

はい?

道草を食っているだけですよ。  散歩と言い換えてもよいでしょう。

本当にヨモギかどうか確かめようとわたしはしゃがんで葉に触れた。

ええ、ええ、 確かにヨモギは食べられますね。 蒸して干して挽いて炊いたもち米に混ぜて草もちを作れますよね。 良い香りが漂ってきそうです。 お腹がすいてきませんか。

答えずにしばらく葉っぱをいじっているとまた聞こえた。
  
「あなたは道草を食っているだけですよ」 
 

ありがとう、 
もう一度言ってほしかったのです。


     
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2006年04月01日

4月1日物語 : まさかね


こんにちは。
前回の記事のタイトルに “休憩” とつけたのが祟ったのか、体調を崩して本当に休憩してしまいました。

4月になってしまいました。 1日ということで、ちょっと悪意のないほら話を書こうかとも思っていましたが、まじめにいきます。 

数日前に “悪意のある”メールに翻弄されて疲れてしまいました。

友人がこんなメールを親しい友人からもらいました。

  突然ですが、犬飼えそうな人いないかしら?
  ◎小犬(1歳未満)
  ビーグル×8匹   アメリカン・コッカー・スパニエル×6匹
  ヨークシャテリア×3匹   ミニチュア・シュナウザー×4匹
  シーズー×14匹   シェトランド・シープドック×14匹
  コーギー×11匹
  ペットショップが潰れたらしく今月中(3月)に飼い主が
  見つからないと処分されちゃうんだって! ちなみに無料。
  飼えなくても探してくれたら嬉しいです。


こんなメールを親しい友人から3月29日にもらった私の友人は、 「きゃあ、あと2日しかないじゃない!」 と慌てました。
♂♀の区別は書いてないし、どこに取りにいけば良いのかわからないけれど、 とにかくこの話を聞いて、一匹くらいなら引き取ってもいいと言う人が見つかってから詳しい事を聞けば良い。 まずは期限が目の前にせまっているのだから、少しでも早く多くの人にこのメールを流そう。 

と、10人程の親しい人に同じ文面を送りました。

受け取った人達も、ほとんど同じ心理で親しい人達にメールをばら撒きました。
私のところにも来ました。 私も、はい、数人にメールしました。

実際、飼います! という人が何人もあちこちで現われて、 自分にメールをくれた人に、 「いつ、どこにどうやって取りに行けば良いのか? ♂♀を知りたい、せめてわんちゃんの顔を見てから選びたい」 とメールを返します。

みんな、この話の出所は自分にメールをくれた友人その人であり、 その潰れたペットショップは友人のそう遠くはない知り合いなのだと思い込んでしまってます。

そしてメールはずんずんと遡って行きますが・・・。

悪質なチェーンメールだったようですね。

「ごめんなさい、 悪質なチェーンメールだったようです。 お騒がせしてしまい本当に申し訳ない」 とのメールがまた飛び交いました。
「気にしないで、 そんな不幸なわんちゃんの話が、嘘であって良かったわ」 という感じのメールがさらに飛び交います。

このメールのミソは、 
・期限があと2日と迫っていて慌ててしまうこと
・親しい友人から親しい人へと送ってしまうこと
です。

いったいどこが始まりなのか。 愉快犯と同じ心理なんでしょうが、どこがどう愉快なのか?  自分の投げた小石が水上に輪を広げ、いつしか津波のようになっていくのが面白いのでしょうか。

得したのは年度末にパケット通信料がふくらんだ各携帯通信の会社くらいなもんで、え・・

・・・まさかねえ。

読んだ本についての記事を書くつもりが違う話になってしまいました。
夜また書こうかと思ってます。 の、予定です。
書きたいけれど。  時間が取れますように!  
posted by tsukikohime at 16:55| Comment(2) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月29日

3月29日物語 : 休憩


リンク先お友達のMOWさんやkbbさんも遊んでいておもしろそうだったので、私もやってみました。
こういうの、すぐやってみてしまいます。

精神年齢鑑定 っていうの。 ←遊んでみたい方はどうぞ。

結果

あなたの精神年齢は26歳です
あなたの精神年齢は、おとなになりたてです。 若々しさがあり、 時にはこどもっぽくなることもありますが、 世間一般に認められる程の常識を持ち合わせています。 ただ、大人の年季というものは微塵も感じ取れません。

実際の年齢との差 −○○歳 (内緒です)
あなたは実際の年齢よりかなり幼稚です。 これは 『若い』のではありません。
『幼稚』なのです。 もっと大人になる努力をしないと、これから先苦労しますよ。

幼稚度44%
あなたは小学校中学年並みの幼稚さを持っています。 がんばって一人でなんでもできるようになりましょう。

大人度50%
あなたはなかなかの大人です。 冷静さもあり、精神的にも発達してきています。

ご老人度25%
あなたからは少し 『おじいちゃんっ気』 が感じられます。 このままでは確実におじいちゃん色に染まってゆくでしょう。

あなたとお友達になれそうな人
木村拓哉
サザエさん
キン肉マン


遊びよ遊び、こんなもの、ふーんだと口にしてみてもぎくりとかしてます。
幼稚度と大人度がともに高かったりするのは一見矛盾しているようですが、 「幼さも持ち合わせてしかも大人っぽい一面もある」 と解釈するようです。 大人っぽいとかいわれてもねえ、 実年齢はしっかり大人なんですから。

12歳の娘と14歳の息子もやってみましたが、 彼らのほうがはるかに精神年齢が高かったです。 へへっ。
あ〜、これが 「肉体年齢」 や 「脳年齢」 だったらどんなに嬉しかったか・・。

「がんばって一人でなんでもできるように」 なれなくたっていいもんっ。

  
posted by tsukikohime at 15:30| Comment(6) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月15日

2月15日物語 : なんの証明


私を見つけるとすくうように手を取りあれから30分は経っているだろう、 今日は暖かですね、 コートを持ちましょうか、 さすがに新宿は平日でも人が多いですね、 ただずんずんと歩いている。 
さっきもここを通ったなと私は思う。

つんと立ち止まるものだから私は2歩ほど彼の前に出てしまい、つないだままの手がぎゅんと引っ張られた。
「ここに入りましょう」

私たちの横に開かれた大きな入り口にすたすたと入っていく。 
建物を見上げて確認する暇もなく、入ってすぐ左にあるエレベーターのボタンを押す彼の指先を見た。


どうして映画なんだろう。


精神のバランスを崩してだんだん壊れていく天才数学者。  アメリカ版博士の愛した数式なのかしら。  
なんの前知識もなくそれもいきなりの映画という事態もまだうまく飲み込めていないままだけれども、映画も隣に座る彼も私たちの周りの観客もしんとしているので、あきらめて銀幕に気持ちを移すことにした。

プルーフ オブ マイ・ライフ


プルーフ オブ マイ・ライフ ・・・人生の証明? 生命の証明? 生きることの証? 生き方の証明? なんと訳すのかしら。

一時はその世界では名を知られていた天才数学者。 そんな父を敬愛する娘。
その愛する父が精神のバランスを崩し壊れていく。 自分の勉強を犠牲にして大学を辞め父の看病をする娘だったが、壊れていく父の姿を目の当たりにし、深い悲しみに包まれる日々。 
父の最期を看取った彼女は、喪失感といつか自分も父のようになっていくのでは?との恐怖に襲われ、抜け殻のようになってしまう。
そこに亡くなった父の教え子だった若者が現われ、教授のノートを見せてほしいと言う。
抜け殻のようになった彼女だったが、その若者と結ばれ、そして隠していたあるノートを若者に見せる決心をする。
そのノートに書かれていたのは、今世紀最大の数学の証明。
そのノートの発見者は君だ!と狂喜する彼だったが、その証明を書いたのは、父ではなく私だと娘に言われ・・。


「どうして映画だったのですか?」

殻つきの牡蠣にレモンをしぼりながら聞いた。

「どうして牡蠣専門店に行きたいと言ったのですか?」

「え、 牡蠣がむしょうに食べたくなったからです」

「牡蠣は元気になりすぎてしまいますよ」

「よいことじゃないですか。  どうして映画だったのですか?」

「映画と食事。 そんなふうにしてみたかったんです。」

「そうですか」

「証明したかったんです」 

「証明?」

「いつも逢える時間が短くて、つい・・それだけで。 まるで僕がそれだけの為のように貴女を・・」


彼は生牡蠣は好きだけれども今日はやめておきます、と2個しか食べなかった。  
「そのくらいにしておいたほうが良いんじゃないですか」 と私は8個めの牡蠣で止められた。


別れ際、ホームに電車がすべりこんで来ると彼が握っている手に少し力を込めた。

本当に今日はもう時間は無いのですよね。

はい。 最初にお伝えした時間しかありません。

そうですか。そうですよね。

電車の扉が開いた。

明日も逢いますか?

はい! 彼は即座に答えた。 

明日も映画? と言うと、情けない顔をしてうなだれるので 「嘘よ」と笑って電車に飛び乗った。
posted by tsukikohime at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月31日

1月31日物語 : 中学受験前日


昨日は中学受験生のご両親に申し訳ないことをしたなあ。

中学受験で検索してやってきた人が大勢いました。

なあにが、チャッチャッチャッチャッだー!! と憤慨してすぐに去っていったことでしょう。

くすん、私だって中学受験生の母だもん。

もう前日なんていまさらじたばたしたってどうしようもない、最後の一日で合否が左右されるわけがない。  いえいえ、そうでもないんですよ。

算数はね、いまさら、一点あげるのは難しい。  理科もね、ま、ちょっと知識を憶えられるかな。

やっぱりね、漢字と社会の知識。 年代とか人名。 その確認は大事です。

そして一点が合否を左右する場合も多々あります。 漢字一個で2点だとしても、その2点で順位が50位くらい違ってしまうのだから、侮れないです。

昨日、海は新品の漢字のテキストをまるまる一冊こなしてました。 うっかり間違って覚えてたものを発見できて喜んでました。

海はおもしろい間違えをするので大笑い。


問い : 次の例のように、二組の熟語を作ることができるに入る適切な漢字を答えなさい。

例1 混  音   (こんざつ、ざつおん)

例2 復  味   (ふっこう、きょうみ)

でね、 体  作  というのがあって、海は、 に、 を入れていた。 (たいもう、もうさく)だって。 毛作って何!?

「畑で言うじゃない、2毛作とか3毛作とか」

うーん、 ×ではないけれど、 できれば、 を入れて、(たいりょく、りきさく)といってほしかった。

では、 直  着 だったら?

海は、  を入れて、 (ちょっか、したぎ)でした。

これも間違いではないけれど・・・。  などいかがでしょうか。 (ちょくせつ、せっちゃく)とね。


問い : 次の各文は、ア、イに同じ読みの別の熟語が入ります。 それぞれの熟語を漢字で答えなさい。

・ お盆に ( ア )する
・ ( イ )を発する

答えは ア・・・帰省
     イ・・・奇声   です。

・ ( ア )を高める
・ ( イ )の移り変わり

答えは ア・・・志気
     イ・・・四季   です。

海は アを死期と書いた。  死期は高めるではなく早めると使うのよ、海ちゃん。

最後に
問い : 次の各グループのそれぞれのに同じ漢字を入れて慣用句を完成させ、 その漢字を書きなさい。

1. をくくる
   がしれる
   みの見物
   

2. を入れる
   を粉にする
   もふたもない

3. をぬぐう
   が軽い
   車に乗る
   
大人なら簡単ですね。

海は3番の答えに  を入れてました。

ちょっとちがうってば、海ちゃん!


中学受験のキーワードで間違ってここに来られた受験生のご両親様。 少しはお役に立てたでしょうか? お子様が慣用句などを勘違いして覚えてないかチェックしてみましょう。

それにしても海ちゃん、シモネタ方向に流れるのはどうしてでしょう。 この母のせいかなあ。
採点する先生が笑って一点でもサービスにくれることを祈ってます。

明日から三日間、三校受けてきます。 私も送り迎え付き添い面接、合格発表確認、手続き等で忙しくなります。  ブログ書けるかな?  まさか前日まで書くとは思わなかったです。
落ちたら、私のせい?  次に書くときは笑っているか泣いているか。

受かっていたら報告します。 落ちていたら報告せず何事もなかったかのような顔をして本の紹介なんぞします。 ってばればれですね。

信じにくいかもしれませんが、わたし、本当はドキドキおろおろしてます。

海ちゃん、がんばろうね、ちゅっ???n?[?g

きっと勝つ キットカット
posted by tsukikohime at 13:17| Comment(9) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月28日

12月28日物語 : ワケ不明


洗濯を間違えた。

はい、

選択ではなく、洗濯


今年も無事サンタさんは我が家にやってきて娘の海をまんまとダマクラカスことに成功して、やれやれと思っていたら私は発熱していた。

ダマクラカスと言えば不思議なことに、 あれだけ本を読んでいるし、 科学や物理系のことも詳しい子どもたちなのにどうしてサンタを信じ続けているのだろう。


見たくないものは見えない。  聞きたくないものは聞こえない。  信じたくないものは信じない。  忘れたいことは記憶が薄まる。

人間の脳って不思議です。  こういう自衛装置があるから人間は少しラクに生きられる。

自衛の度を越すと、 「記憶喪失」 や 「多重人格」になってまで自己の生命体を守るようにになってしまうけれど。


こんな話をしたのがバレルと空に怒られてしまうかもしれないけれど、 大きな声で言えないけれど、 空は昨年の中一のクリスマスまで
サンタを信じていた。  

あ、ごめん、声、大きかったかな。


私も苦労して信じ込ませていたわけだけど、 いつばれやしないか、 いつまで信じる気だ、 いい加減にしろ、 いい加減ばれてくれないと私も心苦しいし、 ばれた時の本人のショックを考えると自分の手でショックを与えるのは避けたいし、 どうにか自然に悟ってほしいと願っていたここ数年。


昨年もいつものように子供部屋の窓をかすかにあけ、 「知らぬ間にサンタがやってきてプレゼントを置いていった」 というシチュエーションを作るべき苦労をしている最中に、

空に目撃されてしまった。


「あ、あ。」

口がぱくぱくしてしまった。

「そうだったのか・・・」

「こ、これは・・」 ぱくぱく。

「そうだったのか。 そういうことだったのか。」

私は心臓がどきどきして空の気持ちをあれこれ考えて涙が溢れてきそうだった。 でもなんて言ったらいいのか言葉がまとまらない。

ぱくぱく。

「そうだったのか・・・・・・・・・・・」

ぱくぱく。

「サンタクロースじゃなかったのか。 そうだったのか。」

ぱくぱく。

「おかあさん、 だったんだね。」

空の目に涙が溢れてきた。

ぱくぱく。


「ごめんなさい!」

と、言ったのが同時だった。

へ? と思った。  どうして空が謝るの?

「サンタクロースからだと思って、いつも高価なものを願っていたんだ。  知らなかったとは言え、ごめんなさい! お母さん。 あんな高いものをありがとう。 ごめんなさい。」

うわ〜んと空が泣いた。

え〜ん って私も泣いた。


で、今年は空にも手伝ってもらって、 わざとらしく子供部屋の窓を少し開け、 海が 「サンタさんへ」 と置いたケーキを さもあわてて食べたふうに食べ散らかしておき、 プレゼントを置いて無事に海をダマクラカスことが出来ました。


そうそう、 発熱

私は今、 38度8分あります。

茶碗洗いやお風呂洗いは子どもたちがやってくれるけれど、 洗濯まではまかせられない。

3日間洗わないと洗濯籠の姿が見えなくなるほど洗濯物があふれてしまうんですねえ。

で、8キロ洗える洗濯機で4回たて続けて洗濯しちゃったんですよ。

そしたら、干すところなくなっちゃって。 はは。 で、「洗濯間違え」


ははって、 38.8℃ で 文章書いたらどうなるか実験的にやってみてるわけですけれど、 文章を書く以前に、まあ、日常生活でよく笑う。

海の中学入試の勉強に付き合っていて、 「アフガニスタンの首都はどこだ?」

「ウズベキスタン!」

「ぶー。 カブールだよん。」

「げらげら」 って。 何がおかしいんだか。 

「では、ウズペキスタンの首都はなんぞや?」

「タスケント!!」

「当ったりー!! キャーハッハ! げほげほっ(むせてる)。」


もうすっかり本の紹介することさえ忘れてしまってますねえ。

これが38.8℃の結果なんですね。  文章は書けても、何書いてんだかよくわかってない。

頭混乱状態。 ワケ不明・・。

「ワケ不明」 って言うんですよ、近頃の子どもたち。  言うなら 「意味不明」ですよねー。

ワケ不明なんて意味不明ですよねえ。 ははっ。



失礼しました。  

年内に復活したいと思います。

寝ます。
posted by tsukikohime at 23:54| Comment(6) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月23日

12月22日物語 : どう在ればいいのかな


朝の四時に携帯が鳴り、 うっすらと目が覚めたけどそして誰からの電話かも表示されたのを見てわかったのだけれど、出なかった。   眠くて出れなかった。  眠りを中断されたくなかった。 

数分後にもう一度鳴った。

眠い。 こんな時間にかけてきたことはない。  どうしたんだろう。


朝、目覚めると私は携帯を握っていた。

そうか、電話。

出ないまま眠ってしまったんだ。  出ようと思ったら切れたのだったのか。



彼は二週に一度ほど電話をしてくる。  高校時代からの友人で、五年くらい前にばったり会って携帯の番号を教えあった。  それから一度も会っていないが、たまに連絡はあった。

いつ頃からだろうか頻繁にかけてくるようになった。  

会いたいという話もあったが結局会っていない。

二人目の子供が生まれたことも電話で聞いた。

鬱病と診断されちゃったよ、という話も電話で聞いた。

その後、夫婦仲が上手く行かなくなり離婚した話も二年ほど前に聞いた。


彼からの電話の回数はじわりじわりと増えてきた。

病が彼をじわりじわりと侵して行っていることも会話から感じた。

定期的に病院に行ってカウンセリングも受けているんだ。  新しい仕事も見つかった。  薬も飲んでるよ。 飲むと眠れるようになったよ。  だけど効かないときもある。


苦しい、悲しい、寂しい、辛い、怖い、哀しい、淋しい、眠い、眠れない、疲れた、わかってほしい


彼は白いキャンバスにそんな言葉を描く。


白いキャンバスは、私だ。   他にも何枚か持っていたのか?


油性の絵の具だ。  塗られて塗られて重くなる。



病院からもらった薬を少しづつ貯めていたのか、 大量のウィスキーとともに飲んだそうだ。

出勤してこない彼を日ごろから心配していた会社の人が彼の家に行き、倒れている彼を見つけ救急車を呼ぶ。  胃を洗浄していま集中治療室にいる。  一命は取り留めた。


彼の携帯に記録されていた最後の発進先にかけてみました。  二回かけているけれど気付きませんでしたか?  どうして出なかったのですか?  僕は会社の同僚ですが、貴方はどういう関係の方ですか?  五年も会ってない?  そんなに会っていない人にかけるでしょうかね。  まだ意識が戻ってないのですよ。  もっと発見が早ければ軽く済んだはずなんですが。  間に合ったから良かったものの僕が行かなかったら。  虫の知らせでしょうかね。


虫の知らせ・・・

あなたには、電話で知らせようとしていましたよね。

・・・はい。



錠剤はまとめて飲んだのかな。  左の手のひらに乗せて右手で一粒一粒口に運んだのかな。  ごくりと飲んだのかな。  ぽりぽりかじったのかな。  飲む前に電話したのかな。  飲みながら電話したのかな。  飲むものがなくなってから電話したのかな。  暖房は点いていたのかな。

寒くなかったかな。
posted by tsukikohime at 03:15| Comment(2) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月05日

11月5日物語 : 忘れるために

「助けてほしいの。」

そんな電話が入って、彼女がやってきたのはそれから20分後、午前2時半だった。

玄関を開けると女が立っていた。  友人だと思う。 

シャツの襟を高くあげ 襟元には頭から被ったスカーフの裾が押し込まれている。  スカーフが顔の両頬を隠している。  その頭にはスカーフがずれないようにツバの広いフェルトの帽子が乗せられていた。

彼女はサングラスをはずしながら、言った。


「ふうー、暑かったあ。」

「どうして、そんないかにも汗をかきそうな頭をしているの?」

「化粧をする気が起きないのよ。」


私がまだ不思議そうな顔をしていると、 彼女は付け加えた。

「40過ぎた女はね、 すっぴんで街を歩くと逮捕されちゃうのよ。」

知らなかった。

「だから、 昼間は出歩けないし、 夜だってこのくらい隠さないとね。」

なるほど。


「でね、 助けてほしいの。」

「うん、 私にできることなら協力するわよ。 でも、まずあなたに必要なのは、丁寧に入れたコーヒーよね。」


私がキッチンに立ってコーヒーをとても丁寧に作っている間、 彼女はリビングに山積みにした本を眺めているようだった。  時々、 ドサドサっと いくつかの本の山が崩れる音が聞こえてくる。

私はコーヒーを淹れることに神経を集中させた。


「別れたの。  ・・・美味しいわね、このコーヒー。」

「うん。 真剣に淹れたから。」

「昨夜、私から切り出したのよ。 それもメール一本で。」

「どうして別れたのか訊いてもいい?」


「好きだったからよ。 好きすぎて、幸せで、怖くなったの。  誰か、例えば、彼からとか、善良なものが発する醗酵した悪意みたいなものからじわじわと終わらせられるのが怖いの。  だから自分で終わらせるしかなかったの。」

「善良なものが発する醗酵した悪意って?」


彼女はしばらく考えてから言った。


「真夜中に見通しの良い片道2車線の広い交差点で、 車が一台も通っていないし人も誰も居ないのに規則正しく赤や青に変わる信号みたいなもの。」


彼女は皿の上に乗っている 固焼きのビスケットをひとつ取りかりかりっと齧った。


「でね、 苦しいの。 もう二度と逢えない、 声も聞けない、 抱いてももらえない。」

「だけど、 よりを戻す気はないのね。」


彼女は、 一桁の足し算も出来なかった小学生を見るような目で私を見た。


「丹精込めて育てた庭の花々を、 見知らぬ数人の悪意のない人たちが突然やってきて 踏み潰して行くのを、 あなたは最後まで見ていられる?  そんなことをされるのがわかっていたら、 自分で切り取って短い期間でも美しいまま部屋に飾っておいたほうが良いでしょ?」

私は、見知らぬ(悪意のない)人たちに踏み潰されていく花を想像して、 胸が痛んだ。


「もうあの人のことを微塵も思い出したくないの。 苦しくてたまらないの。  忘れられる何か、 没頭できる何かがほしいの。  家の外ではそれは求められないの。  だって、ほら、化粧する気力がわかないから。」


彼女はそう美人というわけでもないけれど、 年齢よりも5歳くらい若く見えるし、 別にすっぴんだって逮捕されるほど不細工ではない。   でもそれは、他人が決めることではなく、本人がそう言ってるのだから仕方がないのだ。


「それにはね、 やっぱり夢中になれるような本を読むのが良いと思うの、今までの経験から。  我を忘れてね、 我の存在を忘れるほど、のめり込めるような本。」


私は空になった彼女のコーヒーカップに新しいコーヒーを継ぎ足した。


「自分で、見つけるのは困難。  ぱらぱらっと読んでね、 我を忘れるほどじゃないくらい中途半端なおもしろさだったりすると困るのよ。 だから、あなたに見つけてほしいの。 ここならいくらでも本がありそうじゃない?」


彼女は崩れて床に散らばっている本をつま先でほんの少しつついた。


「私より辛い思いをしたような失恋ものがいいな。 女流作家の書いたものでね。  ね、何日かここに滞在してもいい?  金銭的な負担はきちんとするわ。」

「かまわないけど。」


「でも、 私、 本を読むだけよ。 なんにもしない。 ご飯も作らないし茶碗も洗わないし、洗濯もしない。  ご飯を食べたりお風呂に入ったりはするけれど、 つまり家事はやらない。  だって、家事って、手は忙しいけど頭は暇でしょ?  そうすると考えたくないことや忘れたいことが空洞化した頭に入り込んじゃうんだもの。」


確かに家事は、 手の忙しさと頭の忙しさは比例していない。  空洞化は言いすぎだと思うけど。


最初に、 唯川恵 の さよならをするために を渡してみた。  恋が終わる女性の話が5つ。


読み終えた彼女は、

「文章がきれいでぎこちなさが足りないって言ったら贅沢かな。  その上、物語の着地が綺麗過ぎるよ。  出てくる女性5人とも失恋したって自分の気持ちにきちんとピリオドを打ってるじゃない。 さわやかすぎ!   なんかもっとドロドロ劇がいいな。」


じゃあと思って、 同じ 唯川恵 の 愛には少し足りない を渡した。


彼女はそれでもダメだったようだ。 
 

「前のよりは作風が少しドロドロしてきたわね。 セックスの話もずいぶん出てきたし。 だけど結婚を間近に控えた主人公の女性がどうしていきなりあんなに奔放に遊びだすのか、私にはいまいち納得がいかない。  結婚を間近に控えた20代後半の女性の気持ちなんて私には世界が違いすぎるわ。」

肩ごしの恋人 という傑作もあるんだけど・・・。  じゃ、他の女流作家にする?」

「うん。  主人公が若くてもかまわないけど、 もう少しお嬢さんぽくない感じのがいいな。」


私は、 鷺沢 萌 の F 落第生 を渡した。


「どうだった?」

鷺沢萌のほうが悲しみプラス可笑しみがあって、 私には、良かった。 唯川恵より文章に愛嬌があるわね。」

 というのはアルファベットの6番目。 5段階評価で、 優・良・可・不可 の不可、つまり落第ってことよ。」

「人生の何かに落第したような女性の話だったものね。 文章に味があるわよね。 この作家何年生まれ?」 

「1968年生まれよ。」

「まだ若いじゃない。 これからが楽しみね。」

「だけど、 2004年の4月に35歳で死んじゃったの。」

「えー、 病気かなにか?」

「ううん、 自死。」

彼女は、本に出ている鷺沢萌の写真をじっと見た。

「綺麗な人ね。」


「死の直前まで書いていた エッセイ かわいい子には旅をさせるな もあるけど、 読む?」


「ううん、 鷺沢萌 はもっと読みたいと思ったけど、今回は止めておく。  なんかもっと他にドカンと今の私に利くものないの?」
 

うーん。

「私もあんまり内容を覚えてないのよ。 イメージでこんなのだったかなって思って渡しているだけだから。 女流作家ねえ。 失恋ものじゃないけど、 思い出すまでとりあえずこれ読んでいて。」


と私は、 乃南アサ の 引金の履歴 と 団欒 を渡した。


「でね、 今日出掛ける用事があるの。 夕方に生協の荷物が届くから受け取ってもらえない?  冷蔵庫に入れておいてほしんだけど。」

「んー、 人に会うのやだなー。 だって化粧しなきゃならないじゃない。」

「野菜やお米や牛乳を受け取るだけなのよ。  それ以外の訪問は無視していいから。」

「居候してるんだから、 そのくらいしなくちゃね・・・。 わかったわ、化粧する。 あーめんどくさい!」


その夜、帰って来ると テーブルの上に置手紙があった。


乃南アサ の 2冊ともすごくおもしろかったです。

団欒 は、ブラックでめちゃくちゃ笑えました。

引金の履歴 は、短篇の連作になっているのね。
  
ひとつの拳銃が、 本物の拳銃を見るのも触るのも初めての人の手に渡っていく。
 
少女から主婦へとサラリーマンへと。 拳銃を手にしてしまった人々の戸惑いと心の変化を上手に書くのね。
   
我も彼も忘れて読んでしまいました。
   
あっという間に読み終わって困ったなと思っていたら、 生協の荷物が届きました。 冷蔵庫に仕舞っておきました。
  
実は、 明日、その生協のお兄さんとデートすることになっちゃいました! 
 
美容院に行きたいし服も選ばなくちゃならないので、家に帰ります。
 
お世話になりました。 4日間どうもありがとう。  またあらためてお礼に伺います。


彼女が5日前に別れた彼というのは、 やはり同じような事情で2年前に彼女が我が家に滞在していた時、たまたま私が留守をしている間にやってきた輸入車専門のセールスマンだったことを思い出した。


オンライン書店ビーケーワン:引金の履歴乃南 アサ著

オンライン書店ビーケーワン:F鷺沢 萠〔著〕

オンライン書店ビーケーワン:愛には少し足りない唯川 恵〔著〕
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2005年10月25日

10月25日物語 : 消しゴム、怖い

キッチンの流しの下、扉を開けた内側にいつもある包丁がなかった。

4本あるうち一番出番の多い包丁だ。



友人に誘われて映画を観に行った。  映画館で映画を観るなんて何年ぶりだろう。

最後に観たのは、子供にねだられて行ったポケモンの映画だった。  上映中、私はほとんど寝ていた。

今、ロードショーは大人一人1800円なんですってね。 

毎週水曜はレディスデイで、女性は1000円で観れるそう。  その上誕生月には何度でも一回1000円なのだそうだ。 そして60歳以上のお年寄りはいつでも1000円。

「今月は私の誕生月だからいつでも1000円なのよ。 その上同伴する友人1名も1000円で観れるの。 ね、今日なら水曜じゃないし混んでないと思うから一緒に行かない?」

「なんていう映画なの?」

「”私の頭の中の消しゴム” っていう韓国映画よ。」

映画館で映画かあ・・、 とてつもない、”時間の贅沢”をするような気分になったが、 こんなふうに誘ってもらわなければとても一人では行けないのだから、行ってみようか。

「11時10分からよ。」

突然の誘いだったから、私はかなり大急ぎで台所を片付け支度をした。
  

久しぶりに座る映画館の座席はクッションに適度の弾力があり座り易かった。

気持ち良くて眠ってしまいそう。

水曜ではないからあまり混んでないと思うよと友人が言っていたが、座席はほぼ満席に近い状態。
 
そして、そのうちの半数以上がお年寄りだった。 
60歳以上のお年寄りはいつでも1000円だから、水曜は避けて来るのだろう。


私と同じように前知識なしで観にきているのだろうか。 

前半、ヒロインの女の子のおっちょこちょいぶりやかわいい”忘れんぼさん癖”に、 それがヒロインの愛嬌あるキャラクターのエピソードなのだと思うのか、声を立てて笑っているお年寄りが多かった。

声を出して笑うほどではないのだが、 それが映画に対する礼儀なのか、観る側のやさしさなのか。


でも途中で私は気が付いた。  これはおっちょこちょいでかわいい忘れんぼ癖ではないのだ、ということに。  これは、病気なのだ。

そのことに気付くのに一歩遅れているのか、回りからはまだお年寄りたちの笑い声が聞こえてくるのが気になってしまった。

27歳のヒロインは ”若年性