寒くなると 「冬眠」する奇病を持つ女性が出てくる。
いいな、その病気・・・と思ってしまった。
現実にそんなことになったら困るけど。
小説の中で創り出された架空の病気ではない。
”Seasonarl Affective Disorder” 略称 SAD
日本語に訳せば 「季節性感情障害」 で、 一般的には 「季節性鬱病」 と呼ばれているそうだ。
ある特定の季節になると鬱症状が出てしまう病気で、 この本に出てくる 耀子という女性は かなり重度の SADである。 鬱が高じて、 心だけでなく体そのものが、 最低限の機能だけ残してすべて閉じてしまう。
天気図の北の地方に雪のマークが現れる頃から、 桜前線が描かれる頃までの間、 一日に22時間くらい眠ってしまう。
重松清 の 四十回のまばたき という小説です。
重松清 です。 だから、 そんな風変わりな病気が メインのテーマではなく、 ”家族” が、 テーマです。
重松清 といったら 「やはり」 ”家族” ってことになってしまう。
だからって、 また ”家族” かー ってことにはならないです。
だって、 家族の数だけ、 家族の物語はあるのですものね。
耀子は僕の妻の妹で、 春から夏までを故郷で一人暮らしをして、 秋と冬を 新婚間もない僕と妻の家で半冬眠状態で過ごす。
ある日、 妻の玲子が交通事故で死んでしまう。 妻には恋人がいたことを、 死ぬ直前までホテルに居たことを、 葬儀のあとで知ってしまう僕。
やりきれない思いを抱えた僕は、 「誰とでも寝てしまう」 という妻の妹と一晩だけ過ごしてしまう。
秋になると、 当然のように ”冬眠” にやってきた 耀子。 しかも耀子は 誰の子かもわからい子供を妊娠していた。
重松清 が、 29歳の時に書いた小説です。
「んー」 ってうなっちゃいます。
重松清 の作品て、いつだって 40歳過ぎの人が書いたように思えるので。
誰もが持っているだろう 心の ”穴ぼこ”
あなたの ”穴ぼこ” は どのくらいの大きさですか?
そして どのくらいの深さですか?
・・そんなふうに読みながら、
この本のテーマではないのだけれど、 ”冬眠” できる耀子が羨ましいな、なんて思ってしまいました。
四十回のまばたき 重松 清〔著〕

日増しに寒くなってきて
朝、おふとんから出る時、
「うー、冬眠したい〜(泣)」
なんて思っちゃって・・