2006年08月25日

8月24日物語U : 親への手紙


「日本一醜い親への手紙」 
冗談みたいなタイトルですよね。 
「日本一短い母への手紙」 のような本は何種類か似たようなものは本屋で見かけたことはあったのですが。 
帯に  「あなたは今でも知らないはずだけど、 僕は金属バットを持ってあなたの枕元に立ったことがあるのです」  という文章が出ていて、 これは、なにかパロディのようなおふざけ本かなと思って手に取って開いて読み出したら止まらなくなってしまい、105円(ブックオフで)だったしそのまま買ってきました。

オンライン書店ビーケーワン:日本一醜い親への手紙

日本一醜い親への手紙 Create Media編 1997.11 メディアワークス

9歳から81歳のこどもたち100人からその親への手紙100通です。
2行だけのものもあるし、 長いのもある。 
100編の短篇物語みたいでした。 しかしフィクションではないのです。

10代、20代、30代、40代・・80代。
いくつになっても、 その親の前ではその人たちはその親の子であり、 子が親から受けた悲しみや怒りは時が経っても消えないんですね。
一番愛してもらいたかった人に愛してもらえなかったどころか、精神的苦痛や肉体的苦痛を与えられ、 「この世に生を与えてくれた親を悪く言うなんて」 という幸せに育った人々からの非難の目に傷つき、 「こんなに親から酷い仕打ちをされるのは、 自分が本当に悪い子だからだ」 と自分を責めてきた人々の、 ついに吐き出すことが出来た言葉。

寄せられた手紙の8割が女性からで、 その中には性的虐待を親や兄弟から受けた人が多かったのは、 少々驚きました。

この本に悪趣味のイメージがつかないように、 本書の趣旨を誰よりも理解してくれると思われた3人の著名人に、 集まった手紙を読んでもらい感想文を書いていただいた、とあとがきにかえて書いてあるが、 その3人は、 信田さよ子(臨床心理士で、著書に「アダルトチルドレン完全理解」)、 町田康(作家、「くっすん大黒」「告白」「浄土」など)、 林葉直子(棋士、作家)。

ひょんなところで、 大好きな町田康さんの文章が読めて嬉しかった。 つい言いくるめられてしまうノリの良い文章です。

さて、 これを募集したところ予想をはるかに超える何千通もの反響があったそうで、 この本の最後に第2弾のための原稿募集のお知らせが載っていました。
ただし、 これは1997年の発行ですので、 それらの原稿はもう集まっていて 
「もう家には帰らない さよなら日本一醜い親への手紙」 と 虐待してしまった親が書いた「子どもを愛せない親からの手紙 」の2冊となってすでに出版されています。


書くという行為自体も、また本になったことによっても、 親に苦しめられたことや、 親を憎まなくてはならない理不尽な怒りや、 親を大切にしなくてならないという世間の常識への罪悪感など2重3重の苦しさを持った人々が大勢居るということを知ることができて、ずいぶん気持ちがラクになったのではないでしょうか。 
私はこの企画は素晴らしいと思いました。
posted by tsukikohime at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | まみむめも | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月22日

8月22日物語U : 疾走


オンライン書店ビーケーワン:疾走

疾走  重松 清著  2003.8  角川書店

主人公は15歳のシュウジ。
主人公を 「おまえは・・・」と呼びかける語り口に惹きつけられた。

・・・おまえは半信半疑の顔で、 ふるさとを眺める。
・・・だが、おまえは動かない。
・・・おまえのふるさとは、そういう町だったのだ。
・・・おまえは忘れてしまったかもしれない。

単行本で492ページ。 けっこう読み応えのある1冊です。

干拓地。 リゾート開発  4つ上の優秀な兄。 壊れていく兄。 兄が起こす放火事件。 いじめ。 父の失踪。 母のギャンブル。 一家離散。 やくざ。 神父。 聖書。 性的虐待。 殺人。 逃亡。

まだ中学生のシュウジに次々と襲い掛かる過酷な試練。
立ち向かっても立ち向かっても振り払うことが出来ず、 やさしい少年、 走ることが大好きだったシュウジは、 兄だけを溺愛し自分を捨てた母を慕い、そして重松清にしてはめずらしくあんまりな結末。 
最後のページ492にたどり着くと現れる12行の中に少し光が見えて・・・、 そんなことでシュウジは救われたというのか。 ついにここで私は泣く羽目に。
「どうして・・?」 と読後しばらく動けなくなってしまいます。

シュウジをずっと「おまえ」と呼びかけてこの物語を語っていた「わたし」が誰だかわかるのは、ページ490。

映画化もされています。  豊川悦司が神父役です。
豊川悦司ですからね。 これがまた壮絶な過去を持つ神父さんなわけです。 
posted by tsukikohime at 11:56| Comment(0) | TrackBack(2) | さしすせそ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月16日

8月16日物語U : 荒廃の夏


以前 井上荒野の ヌルイコイの記事を書いたときに、
「こんな感じ、どこかで味わったような記憶がと思ったら、それは井上光晴で、 井上荒野は井上光晴の娘なんですね」 といったコメントをいただき、 それから井上光晴を読んでみたい! と思っていました。

近場の本屋さんを探したのですが見つからず、 ネットで探した書名で図書館に何冊かリクエストしたところ、 たまたまその本が私の住む町の図書館になかったのか、 それにしてもまず近隣の図書館から探していくとは思うのですが、 結局手元に届いたのは、 東京都立日比谷図書館からのもので1965年の初版印刷のものでした。
あまりの古さにページをめくるたびに何かほこりだけではない色々な思いや得体の知れないものがぱさぱさと舞い上がるような気がしてそーっと持ってなるべく大きく息を吸い込まないようにそーっと読み始めました。 

オンライン書店ビーケーワン:荒廃の夏

荒廃の夏 井上 光晴著 1965 河出書房新社、 1971 角川書店、 1980.4 集英社


時代背景は朝鮮戦争の頃。 20代でその時代を生き、 一時共産党員でもあり、戦後左翼文学の旗手として雷鳴とどろく存在だった(そうだ)著者によるこの作品を読んでいると、 その時代の生々しさが伝わってくるのですが、 あら、なんだかこの朝鮮戦争の頃の雰囲気は昨今の日本の雰囲気ととても似ていませんか・・。 

内容はさておき、 この小説がかもし出すこの雰囲気、 どこかで似たものを感じた記憶が。 誰かに似ている。 と思ったら、 あ、それは井上荒野。
井上光晴は井上荒野の父だったのね。 
な〜んてね、 スタートはそこでした!

不穏な空気。 なにかが起こりそうで起こらない。  起こったかもしれないけれど周到に隠されている大事な部分。  絵の中に隠された暗号を私は見落としたのではないか。 平和にコトは進んでいるように見せかけて地下では怖ろしい計画が進んでいるのではないか・・・と疑心暗鬼で自分の首を絞めてしまいそうな雰囲気です。

並行してしていくつもの場面がからんだ多次元的な構成に翻弄されているうちにどんどん引きずり込まれてしまって読み終わる頃には、 な、なんだったんだろう、これは・・・。 

やはり似てますね。 荒野さんと。
今の時代を舞台にこの不穏な空気を味あわせてくれる荒野さん。 
荒野さんてお父様に負けてないんじゃないかしら〜と思いました。
荒野熱が上がった私です。
posted by tsukikohime at 22:33| Comment(2) | TrackBack(0) | あいうえお | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

8月15日物語U  : 本屋バトン


昨日の記事を書いていてもにゃもにゃっとしてしまったので以前MOWさん からいただいてきて
冷凍庫で保存していた 《本屋バトン》 で頭をほぐします。


『本屋バトン』

■本屋さんに行ってどんな本を見ますか?

本屋さんの本の置き方にもよるのですが、 たいがいは文庫のコーナーにずかずかと進んでいきます。  平積みの新刊の文庫を見て、棚の文庫を見て、それから単行本の新刊コーナー。  そして新書。  時間があれば最後に料理本のところです。

■雑誌は買いますか? どんな雑誌を買って、またどんな雑誌は立ち読みしますか?

雑誌はめったに買わないです。
立ち読みは料理の雑誌ばかり。 
お、これは・・!と思う料理があればレシピを暗記し、作る頃には忘れ、てきとーに似た見た目のものを作ります。 

■最近読んだ本は?

昨日書いた記事の「セックスボランティア」 は実は何日も前に読んだもので、 いまは、えーと、 5冊を同時進行で読んでます。 イケナイ癖です。
井上光晴さんと井上荒野さんと重松清さんと村上龍さんと古川日出男さんです。
さて、どれが先に読み終わるか。  きっと1冊読み終えてもまた他のが参加し、どれが先に記事になるのやら。 イケナイ癖です。


■どんな漫画が好きですか?

好きというか大人になってから自ら買ったものがいくつか。 あ、好きなんですね、それって。

佐々木倫子 『動物のお医者さん』
松苗あけみ 『純情クレイジーフルーツ』
さくらももこ 『ちびまる子ちゃん』
高野文子、 さべあのま
など。

■買って失敗した……面白くないから買わなきゃよかった、という失敗はありますか?

どんなに面白くなくてもその中から一筋の光を見つけ出そうとします。 
たとえば、 知らない読み方の漢字を覚えた。 とか。 知らない熟語を知ったとか。 そう思って、自分を慰めます。 時間を無駄にしたことが実は悔しい。

■本(漫画・雑誌を含む)にかけるお金は月に何円くらいですか?

図書館で借りることが多いし、 ブックオフにも行くし、 行けば100円本コーナー専門だし、 何人かの友達がこれどう? あれどう? と持ってきてくれるし。  うーん、新刊の単行本や文庫で0円〜5000円くらいかしら。

■雑誌や週刊誌はたまってくるとどうしますか?

ほとんど買わないのでなかなかたまらないのですが、 たまれば資源ごみです。
りっぱなトイレットペーパーに生まれ変わってほしいと思います。

■おすすめの本があれば教えてください。

私のブログ内で歯切れよく書いているものがおすすめになります。

■これはよくないよっていう本はありますか?

ん〜、 あるけれどもぉ。 (歯切れの悪い表現)

■本屋さんはどれくらいの頻度でいきますか?

どのくらいだろう。  友人と待ち合わせするときも本屋さんにすることが多いし。  ふらふら〜と入ってふらふら〜と出たりするのもあるし。


■買ったけど読んでない本ありますか?

あります、あります、いっぱいあります。  借りて読んでないのもいっぱいあります。  どうするのよあれら。 あとからあとから増えちゃって。 

■バトンを回す5人。

どなた様もお持ち帰り自由です!


ほぐれたっ。
posted by tsukikohime at 01:09| Comment(3) | TrackBack(0) | バトン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月14日

8月14日物語U : セックスボランティア


友人が、「読んでみる?」 と貸してくれました。
ああ、このタイトル聞いたことがある、 「セックスボランティア」。 
障害者のセックスについて、とは聞いた気がするけれど、 ボランティア? どういうことだろう。

オンライン書店ビーケーワン:セックスボランティア

セックスボランティア  河合 香織著  2004.6  新潮社



住んでいる町の図書館からの依頼でときどき目の不自由な方のその目の代わりになって本を読むということをしているので、 視覚障害者の方と接することはあります。  その方がリクエストされる本や、 たとえば相手が大学の学生だったら、試験前にテキストや資料を読むといったことです。 
行政からの助成もわずかみたいで、 時給は多分200円とか300円くらいなのかな。  交通費も出ないし、一年分、まとめて振り込まれるので時給に換算したことがなく明細も確認したことがなくよくわからないけれど。
額が少ないのは、それは「ボランティア」という名目だからです。

目の不自由な方にどう接するか、 などということは全く学んだことはなく、 学ぼうと思ったこともなく、 会えば、 ただ世間話をして本を読むだけです。
だから、想像力が欠けていたり、認識不足のせいでおかしなことをやってしまいます。 
そういう時は、「あ、ごめんなさい!」 です。 そうして次から気をつけます。 

たまに、 ボランティアという名のせいで、 何か感心する人がいますが、違うんです。  
ただひたすら本を読みたいだけなんです。  本というか活字。
いわゆる活字中毒。
自分で本を選ぶと、 やっぱり傾向が偏るんですよね。
だから、 無理やり押し付けられるというか、 自分では決して手に取らなかったものを読む羽目になるこの状況が嬉しいのです。
そして、 相手に聞き苦しくないようにきちんと声に出して読むという行為は、 口の周りの筋肉が鍛えられて実は美容にもいいのです。  
その上、 出掛けるのが億劫だけれども、 手元に読む本が少なくて本を仕入れたい時に、 (ついでに)よいしょっと図書館に行く用事ができるので便利です。
このようにまったくもって自分の利益の為にやっております。 
だから「ボランティア」ではないのです。


まったくこの本の説明になってません。


身体や脳のハンディキャップのせいで、 健常者が想像も出来ないような苦労を、 「性欲の処理」 や 「セックスの仕方」 や 「障害者の性に対する世間の偏見」 などの場面で背負っていることが書いてあります。

手が不自由で自慰も介助してもらうとか、 第三者の手を借りて結合させてもらうとか、 とにかく読んでみればわかりますが、 無責任な言い方だな、 しかし、 だって技術的には、 健常者には想像もつかないことばかりだったんだもの。
そういった介助を無償でする場合、 有償でする場合。 

身体が自分の思うように動かないから、 困ってしまう、辛い。  トイレや入浴や歩行や食事といったものなら介助するほうもされるほうも受け入れやすいけれど、 セックスのこととなると、 身障者も言い出しにくいし、 健常者も 「障害者には性欲がないはず」ということで、 目を背けたがる。
「障害者」であることは逃げられなくて気持ち的に負の部分はそりゃああるけれど、 なんていったらいいのかなあ、 性欲がある、 セックスしたい時もある、 自分でしたい時もある、 愛情が欲しい、 恋人が欲しい、 抱き合ってぬくもりがほしい、 結婚したい、 子の親になってみたい・・・、 そういう感情ね、 それは障害者も健常者もおんなじなわけで。


う、 だめだ。 頭がまとまらない。

読んで知ることに価値はあったけれど、 たぶんね、「ボランティア」 という言葉がひじょうに嫌いなんだな。  とても抵抗感ある言葉です。
不思議ね、言葉って。  おんなじ単語でも人によって感じるイメージや思い込みや思い入れが違うんだものね。

それにやはり難しい問題です。
セックスはとても個人的なことだし、 本の中に 「川で溺れている人がいたら助けるのと同じ」 と言うオランダの人がいたけれど、 それとは違うでしょと思いました。 お年寄りや妊婦さんに席を譲るといった行為ともまた違うのだし。

帯に、 「障害者であっても性欲があるのはごく自然のこと。 しかし、それは、見てはいけない、 触れてはいけないこととされてきた。  障害者は性的存在ではいられないのか?」 と問題提起するかのように書いてありましたが、
身近に性の問題で悩んでいるであろう障害者の方と接する機会がない限り、 また自分がその立場になってみない限り、 身につまされてみなければ深く真剣に考えることはできないです、私。
 







 
posted by tsukikohime at 15:19| Comment(4) | TrackBack(1) | 暮らしや料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月12日

8月12日物語U : オレオレタイム


話は変わりますが。 と、どこから急に変わったのかわかりませんが。 
オレオレ詐欺のお話を。

7月の初旬頃だったでしょうか。 息子の同級生のお宅にお茶しに行きました。
息子たちは学校に行っている時間です。
彼女のお宅は、なんというのでしょうか、某企業の社長様のおうちでして、 アメリカに行っても、 韓国に行っても、 リビアに行っても、 カザフスタンに行っても知らない人はいないでしょう、その企業名、 というようなお宅なのですが。

広い敷地の 「適当に止めて」 と言われるままに適当に車を突っ込み、 玄関に入り、 いったいこのリンカーンコンチネンタルでさえ納まりそうな玄関のどこらへんに靴を脱げばいいのよと手土産の麩饅頭を持ったまま たたずんでいると、 「ねえねえ、すっごくおもしろいことがあったのよ、聞いて!」 と彼女が勢い込んで話すには。   
あ、靴はど真ん中に脱ぎました。

「オレオレ詐欺から電話が掛かってきちゃったのよ!」

「えー、いつ?」

「先週の金曜日。」

「で、どうしたの? 騙されちゃったの?」

「それがねー」 

泣きながら息子(にせもの)から電話が掛かってきて、 「お母さん、 人を怪我させちゃった」 と言うのだそうです。  
しゃくりあげて泣いているしちょうど声の感じも15歳くらいの雰囲気だったので、 息子だと思ってしまったそうで。
「どうしたの」 と聞くと、 通学で使う駅のホームで電車に乗り込もうと走っていたら鞄が人様に当たってしまい、 怪我をさせたと。 その上、 その人の高価(!)な眼鏡も割れてしまったと。

そこで、 すっごく素敵な声の男性(彼女曰く)に電話は代わり、 「こいつ、 人に当たっておきながら逃げようとしたからとっ捕まえて、 今、駅前の俺の車の中に連れてきたんだよ」と。

「えー、 電車に乗ってた人がどうして駅前に車を置いてあるの? 変だと思わなかったの?」

「思わなかった」

「人にぶつかっておいて謝りもしないで逃げようとするなんてどういう躾をしているんだ」 と怒られて、 すみませんと謝ったの。

「息子は預からせてもらって、 きちんと俺が躾をし直してやる」 と言うから、まあ、 今どき、何て親切な人なんだろうと思ったの。

「思ったの!?」

「思ったの」

「拉致じゃない!」

「でも、 他人の息子の躾を見てくれるなんて言う人、 そうそうはいないでしょ」

「いないわよ」

「最近の若者論とかを語りだしてね、 それが、とっても立派な話で、 うん、うん、ってね、納得しちゃうのよ」

「・・・」

「声も渋くて素敵で、なんかこう聞き惚れちゃうのよ」

「そう・・」

「少し仕事をさせて社会というものの厳しさを教えてやるって言うものだから、 それもいい機会かもしれないって思ったの」

「思ったの!?」

「うん、 で、どのくらいの期間ですかって聞いたら」

「聞いたんだ」

「3ヶ月くらいかなって」

「それ、 誘拐じゃない!」

「でも、 ちゃんと躾けて育てたつもりだったのに、 人様にぶつかって謝らないなんてうちの息子が悪いわけじゃない?」

「学校はどうするのよ、 中学生なのよ」

「学校の勉強はあとからどうにでも取り返せるけれど、 基本的な躾はなるべく早いほうがいいじゃない」

「・・・それで?」

「どんな仕事をさせるのかな、 まだ15歳だし、 肉体労働かな、 それとも年齢をごまかしてホストクラブとかかなって思って、 『どんな仕事をさせてくれるのですか?』 って聞いたのよ」

「そしたら?」

「『うっ』 って口ごもって、 がちゃんって切れちゃった」

「それ、 『オレオレ詐欺』 だと途中からバレていて馬鹿にされたと思ったのよ、きっと」

「電話が切れてから、気づいたのに」

「この話、 ブログで書いてもいい?」

「もちろん、 いいわよ。 『オレオレ詐欺』の手口が少しでも多くの人にわかってもらえるようにでしょ?」

「・・・それもあるけれど。 あなたの受け答えが、一般的じゃないというか。 その・・、おかしすぎるから」

「そうかしら」

「そうよ」

「そう?」

「うん。 あっぱれ」

昨日、 彼女から 「あれからまたオレオレ詐欺から電話があったのよー!」 と嬉しそうな声で報告がありました。

「今度はどうしたの?」

「お兄ちゃんが出てね、 『これは弟の声じゃない』 とすぐ見破ってしまってすぐに電話を切っちゃったんだって。  もっと長く話せばいいのに、 もったいない!」

「お宅、 狙われてるみたいだから、 また掛かってくるわよ」

「うん、 まだリストからはずされてないと思うのよね。  だいたい金曜日の午前11時頃がオレオレタイムらしいのよ。  なるべく外出しないように待ってるわー」

 

皆さまも「オレオレ詐欺」に、お気を付けくださいませ。
posted by tsukikohime at 02:11| Comment(2) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月10日

8月10日物語U : グラジオラスの耳


何が言いたいのか何を訴えたいのかどうしてほしいのか、 どうすりゃあいいのよ!と、態度がはっきりしない恋人に何も言えないけれどひとり地団駄を踏みたくなるような、 何を悩んでよいのか、 困ってしまった本です。

でも、好きなの。

不思議な作家です、 井上荒野さん。


オンライン書店ビーケーワン:グラジオラスの耳

グラジオラスの耳  井上 荒野著  2003.1  光文社

井上さんの初期の作品を集めたものだそうで、 第一回フェミナ賞を受賞した 「わたしのヌレエフ」 も収められています。  といってもフェミナ賞ってなんだか私は知らなかったのですが。  まあ、賞とかはどうでも良いのですが、 この盛り上がりもトドメもないような話をどうして読ませてくれるのか、 何か怖ろしいことが起こりそうな予感はするのに、何も起こらない。
本を閉じたあと、 何か黒い影を見たような見落としたような。
それはひとえに井上さんの不思議な文章によるものなのでしょう。
後に見られるような (鋭いナイフのような) 兆しが見えます。

冷たくて美しくて何もかも見透かしているようなその意地悪な眼差しが怖い。

想いを寄せてもちょっとはかまってもらえるかもしれないけれど、 絶対幸福感なんて味わうことはできない。  危険な香りのするあなた。

あなたなんかあなたなんか誰が惹かれるもんですか! と思いながらもわたしはいつのまにかその魅力に絡め取られていってしまう。 
あーくやしい。  こうなったら井上荒野、 全部読んでやるぅ!

あ、荒野(アレノ)さんて、 女性です。

この本、ストーリー事態は記憶に残らない感じなんですけどね。
雰囲気。
不思議です。
一度、荒野体験してみてください。 あ、でも井上さんを初めて読むのならこれじゃないほうがいいかな。
posted by tsukikohime at 23:30| Comment(4) | TrackBack(0) | 井上荒野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

8月9日物語U : 団塊さんの蕎麦打ち


「2007年問題」
それはなにが問題なのでしょうか。

2007年〜2010年ぐらいまでの間に、総勢一千万人程の団塊の世代の人々のうちサラリーマンで定年を迎える人がざっと300万人はいるからだそうです。
大量定年退職に伴って長年企業内で培われてきた技術やノウハウが継承されず、 大型コンピュータなどの基幹系システムの維持が困難になることが懸念されるようになった。
でも、技術継承などの問題は定年延長で何とか乗り切ることができる見通しで、 それよりも問題はむしろお金も暇もある(と著者は言っている)彼ら団塊世代の今後の動向次第で日本国の将来像が変わるであろうことなのだそうだ。

単に人数が多いということだけでなく、 その特徴的な言動で、 上下幅広い世代に多大なる影響を与えてきた団塊の世代の人々よ、 このまま静かに朽ちていくだけでよいのか! かつての熱さはどこにいったのか。 自分を変え、世の中を変えたいと思ったあの創造的な気概はどこに吸収されてしまったのか。

団塊男たちよ、 今もなお創造の世界と繋がっている証しであるかのように、
(陶芸教室)に通ったり、 (蕎麦打ち教室)に行ったり、 習い事をしているだけでいいのか。 
 
団塊男たちよ、 今なお現役の社会人だと言いたいがために、 “好い人” の象徴のような(NPO)の名を名刺に刷るだけでいいのか。

団塊女たちよ、 夫は死なないまでも関心の外、 子どもは期待通りには育たずパラサイトかフリーター、 萎える気持ちは解るが、 ここで(ヨンさま)に走って何が解決できるのか。 
ヨンさまで新しい未来が描けるのか。 
早くも孫に関心の矛先を向け(孫転がし)をしている場合ではない!

・・・・・と同世代の著者、 残間里江子氏が(同胞)を叱咤激励している本であります。


オンライン書店ビーケーワン:それでいいのか蕎麦打ち男

それでいいのか蕎麦打ち男  残間 里江子著  2005.9  新潮社


んん、出ましたね(同胞) という言葉。  (同胞)とか(同志) という言い方、よくしますよね、 団塊の世代の方々って。

この本を読んでわかったこと。
団塊の世代の人たちは単に人口が多いという要素を考慮しても、 他の世代に比して自殺者、 失踪者、 殺人者が多いのだそうだ。
そして現在85万人にものぼるといわれるニートの多くが団塊ジュニアだという指摘もあるそうで。

ん〜、 ツケがこっちに回ってきているような気がします。 
やっぱり蕎麦を打っている場合ではないのかもしれません。

それにしても、 団塊の世代の方々は、 (団塊の世代) とひとくくりに呼ばれることは好きなのでしょうか、 嫌なのでしょうか。 
わりと嬉しそうに 「団塊なんですよー」 と言う人が多いような気がするのですが。
posted by tsukikohime at 00:10| Comment(0) | TrackBack(2) | さしすせそ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月01日

8月1日物語U : 緊急のお知らせ


こんにちは、 緊急のお知らせです。

私のブログのこの左側の お気に入りリンクのところに登録してあります 
「ばーさんがじーさんに作る食卓」 が、NHKの番組で取り上げられ放映されるそうです。

ため息がこぼれちゃうほど素晴らしい料理の写真と作り方を紹介してあり、 栄養バランスもよく、 私も度々そのレシピをプリントアウトして参考にさせていただいております。 器や盛り付け方、テーブルセッティング等も参考になります。
しかし、なかなか写真のようにはいかない・・。
奥様が料理担当、 写真は旦那様です。


   *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  

[sesentaから、ちょっとお知らせ]
NHK教育テレビ「趣味悠々」の「中高年のパソコン講座・ブログに挑戦してみよう」で、私どものブログが取材を受け、紹介していただくことになりました。(8月1日(火)10:0010:25pm)ほんの数分ですが、顔も出るようですので、大弱りです。皆さまのイメージをこわさないために、あまりご覧いただきたくない気もしますが、あとでお叱りを受けるといけませんので、とりあえず、お知らせまで。
私ども自身も内容を知らないで、さて、どんなふうに「料理され」ていますやら‥

[追記] すみません、上記の放送時刻は「夜10時」です。「22:00」と書くべきだったと反省しております。どうか、ビデオのセットが未だですように‥

   *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *
posted by tsukikohime at 12:26| Comment(4) | TrackBack(0) | ん・・こぼれごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする