2006年07月31日

7月31日物語U : みずうみ


主人公のちひろはアパートにひとりで住んでいて、 中島くんは道路をはさんだななめ向かいのアパートに住んでいて、 ある日、 窓辺の彼とあいさつするようになって知り合う。
ぐんと近づくまでは時間がかかったけれど、 いまでは好きで好きでたまらない。

生きている感じが薄すぎる中島くんは、 なにか大変な過去を背負っているらしい。
何があったか知らないが、とにかく大変そうだった。
「人の大変な話を聞くということは、 もう、 お金をもらったのといっしょで、 絶対にそのままではすまされないよ。 聞いたという責任が生じてしまうの。」
死んだママがよく言っていた言葉で、 ちひろは、せちがらいなあ、と思いながらも、それは多分真実だろうと思うので、
中島くんに 「言わなくていいよ、 そんなつらいことなら、 ますます言わないで。」 と言う。


ちひろは、何度でも中島くんを好きになる。

窓辺で手を振っていた中島くんを好きになる。

横で寝ている変な顔の中島くんを好きになる。

ほんとうに人を好きになるということが、 今、 はじまろうとしていた。 
重く、 面倒くさいことだったが、 見返りも大きい。

そして、 中島くんの “大変な過去” を知ってしまったとき。

大変な過去・・・これは書きたいけど、書かないでおきます。
ちょうどここ数日TVや新聞を賑わせているカルト集団被害のような、 誘拐、 共同生活、 マインドコントロール、 救出されたその後 ・・っと、ここまで。


それは想像以上に大変な過去で、 そういう人を好きになることも、 そういう人から必要とされたときに受けて立つのも、 とても覚悟のいることだ。

「ちひろさんはね、 思うにやはり、 ほんとうに数少ない、 気持ちの暴力が少ない人なんだ。」 と中島くんは言う。

押し付けない、 要求しない、 期待しない、 あるがままを受け入れる。

男女間においても、 親子間においても、 友人関係においても、
簡単なようでいて、 なかなか出来ることではないですね。
愛情と思っていたものが時に気持ちの暴力になっていて相手を苦しめていることって・・・あるんだろうな。
投げるほうも 「愛情」 だと思っているから悪いことをしてる気持ちがなくて、 受けるほうも 「愛情」 だと思わされて、 うまく応えなくてはと苦しんだりして。

オンライン書店ビーケーワン:みずうみ

みずうみ よしもと ばなな著 2005.12 フォイル



手に取ったときも美しいと思った表紙ですが、 読み終えたあと、 とても長い時間眺めてしまった表紙です。
posted by tsukikohime at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | やゆよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月25日

7月25日物語U : 待ってるんですけど

6年ぶりの書き下ろし。
待ってたよ〜、 天童さん、 新作を読みたいようってもうずぅっと楽しみにしてたんだからぁ。

と、心待ちにしてた私のような天童荒太ファンには、ちょっと物足りないかもしれません。

オンライン書店ビーケーワン:包帯クラブ

包帯クラブ 天童 荒太著 2006.2 筑摩書房

永遠の仔 や 家族狩り のような重たいテーマにミステリーもからんだ長篇を期待してしまいますものね、 どうしても。

心に傷を負った場所へ包帯を巻く、 といったコミュニティを作る高校生たちのお話で、 YA向きに書かれているようで、ルビも多い。 新書で若い人にもお買い求めやすくしたのかも。

「永遠の仔」 や 「家族狩り」 は、 幼児や多感な少年期、青年期に受けた心の傷を、周囲に気づいてもらえないまま大人になってしまった人々のたどる哀しい話だったが、 「包帯クラブ」 は、 その傷を抱えたまま大人になってしまってはいけない、 受けた傷はゼロにすることはできないけれど、 傷を傷と認めてあげることが大事なんだよ、 それで少しは癒されることもあるんだ、 他人の傷に敏感になろう、 (永遠の仔) を育てちゃいけないぞ、という小説と私は受け取りました。

「永遠の仔」、「家族狩り」 を読むと、 とてもやるせない気持ちになってしまう。  ここまで大人になってしまったら、 ここまで闇が塗り重ねられたら、 もう助けることは非常に難しい。 
歯がゆさと悲しさと無力感が襲ってきます。  どうして周りの人は気づいてあげれなかったの?  直接的に他人の心を傷つけた人だけが悪のように言われるけれど、 見て見ぬ振りしていた人も間接的に傷つけていたのではないのか?

と、ここまで書いて、 よくある、 事件が起きてからの 「犯罪者がどうしてそんなことをしてしまったのか、 心の闇を探ろう」 みたいなTVや週刊誌の特集を思い浮かべてしまいました。  
こういう事件が起きたあと、 近所の人や昔の知人や元同級生たちからぽろぽろと証言が出てくるじゃあないですか。
「寂しそうにしてた」 「手足に痣が多かった」 「いつも汚れたままの服を着ていた」 「尋常ではない泣き声がしばしば聞こえた」 などなど。
犯罪を犯してしまった人は、 一人で生きてたわけじゃないし、 誰も何も見ていなかったわけじゃない、のですよね。  ちょっとあの人、 様子が変だよね、 アブナイよね、 と噂されてたりする。


起きなくても済んだかもしれない悲劇を生まないように、 その悲劇の芽を育てないように、 君たちや僕たちで、出来ることはあるんじゃないか? 
ほんの少しの思いやりや気遣い、言葉掛けで、 10年後の悲劇は減らせるんじゃないか? 
この本は、 若い人へのそんなメッセージなのかな、と思いました。

あ、もちろん、 大人にもね。


で、天童さん、 あのう、やっぱり、読書慣れした大人の小説読みたちにもぜひ、
「永遠の仔」 のような超大作を書いてくださいな。 
待ってますよ!   あと何年、待つのかなぁ・・・。


  
posted by tsukikohime at 10:44| Comment(8) | TrackBack(0) | 天童荒太 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月24日

7月23日物語U : Life is very short

オンライン書店ビーケーワン:4U

4U  山田 詠美著  1997.8  幻冬舎

男が長いことつかっていたバスタブの残り湯は、 はたして、 スープか。

で始まる表題作の「4U」(よんゆー)。 タイトルでは(よんゆー)と読ませているが (ふぉーゆー)の意味だ。

よっぽど好きでなくては、 その残り湯をスープか・・などという発想は湧いてこないだろうなと思いながら、 最初の一文が気に入ったので、 けっこう期待しながら収められている9つの短篇を読み始めた。

山田詠美が書く女性の恋に落ちるのに値する(値しない)男を見る目には感心してしまう。 
表現も説得力がある。
たとえば、

・・・たとえば、男の肩越しに、ベッドから床を見下ろす。 すると、そこには、彼の心の乱れそのままのように脱ぎ捨てられた靴がある。 その靴の種類によって快楽の度数は変わるように思うのだ。 それが、餃子のようにギャザーの寄った黒い革靴だった時、はたして、甘美なエクスタシーは訪れるだろうか。  (4Uより)

恋に落ちる時、 英語では、 ケミストリー(化学反応) というそうだ。
この短篇集では、 人間関係におけるケミストリーの例をいくつか描いてみたかった、 
とあとがきにあるように、 ラブストーリーだけの短篇集ではない。

黒人の夫を持つ日本人女性の、 彼の両親の家で彼の兄弟たちと過ごす休暇を描いた 「ファミリー・アフェア」 はまるで翻訳物を読んでいるようだったし、 
20才年上の女性のアパートに通い関係を持つ刑事の話 「紅差し指」 は、とても日本的な色気と恐さがあったし、 全体を通して期待以上に読後感の気持ち良い短篇集でした。
そしてなぜか、 元気が出るの。

ライフ イズ ヴェリイ ショート 

人生(ライフ)に対して、 いかに尻軽でいられるか。 

あとがきにあったこの言葉を読んで、さらに、 よっしゃー! やるかー 
(何を? 何か。 とりあえず気持ちは強化された) という前向きな気持ちになりました。
posted by tsukikohime at 00:35| Comment(1) | TrackBack(0) | やゆよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月21日

7月21日物語U : 選択肢


群青の夜の羽毛布 (←触ると過去の記事に飛びます) を貸していた友人がその本を返しにきて、 ぺちゃくちゃとあの本がいい、 この作家がいいなんておしゃべりして、 やっぱり山本文緒はすごいよね。 この本もすごかった。 うん、 すごかった。  あのほらあそこのところ。  ここここ。  ほらまさかこうなるとは。  え、それ、そういう意味だった?  そうでしょ、違う?  だってほら、 最初のほうのこの言葉。  ああ、あーそうか。 でも、そう?  ん〜。  ちょっともう一回読みたくなった、 貸して。  いいけど、読んだばかりでしょ?  でも、結末がわかったうえで、 あらためてまた読みたくなった。
と、 また持って帰っていってしまいました。  Sちゃん、あなたです。

ちょっとちょっと山本文緒にはまだまだおもしろいの、たーくさんあるのよー!
じゃ、次に来たとき、 どれか、貸して。
りょーかーい。

さて、どれにしようか、と棚からてきとーに手に取ったら、 それは 
ブルーもしくはブルー
開いたとたん、 しまったー!  そのままその場でいっきに最後まで読んでしまった。
再読。
ストーリーも結末もわかっているのに、 え、どうなるのどうなるの (だから、わかってるのにー)と、ページをめくるのももどかしく。

オンライン書店ビーケーワン:ブルーもしくはブルー

ブルーもしくはブルー  山本 文緒〔著〕 角川書店


29歳の蒼子は6年前に2人の男性と付き合っていた。
ひとりは、 料理屋の板前をしている2歳年上のやんちゃ坊主のような河見。
裏表のない性格だが、 嫉妬深いところがあり、そこが少し恐い気がする。
郷里の福岡にいる父親が倒れたので、 いっしょに帰ってくれないかと頭を下げられた。
もうひとりは、 広告代理店に勤める都会的でスマートな佐々木。 いつも温和な笑顔を浮かべ清潔感がある。 ただベッドにいる時でさえ、 よそゆきの顔をしているように感じるのだが。

どちらも同じくらい好きで、 どちらを選んでもどちらかを捨てたことを後悔しそうだった。

悩んで悩んで結局、蒼子が選んだのはどちらだったのか。 

蒼子Aが選んだのが、 佐々木。
蒼子Bが選んだのが、 河見。

東京に、佐々木蒼子がいて、 博多に河見蒼子がいる。

悩んで悩んで悩みすぎてそんなことになってしまったらしい。

と、ここらへんまあ、不思議な現象なんですが、 2人はばったり出会ってしまう。
ドッペルゲンガーなのかとか、 どちらかが本体でどちらかが影で、 どちらかが死ねば片方も消えてしまうのか、 などという恐怖も折りこまれつつ、 とにかく蒼子Aと蒼子Bは、6年後にばったり出会ってしまう。
最初はもちろんあまりのそっくり具合に気味悪がって、 そのうち幼馴染みに会ったみたいに (当然です、 ふたりは途中までひとりの人物だったのだから) きゃあきゃあと共通の昔話で盛り上がったりするのですが、 しだいに お互いの選んだ生活がどんなものなのかとても興味が湧いてくる。 

余るほどの自由(時間と金銭)を持ちながら夫に振り向いてもらえない東京の蒼子Aは心の拠り所を欲しがっていて、 両腕の中から出すことを嫌い、 お前さえいればいいんだ、 ふたりでいることが全てだと強く愛されている蒼子Bはそれを束縛に感じている。

ふたりの蒼子は、 お互いに出会ってしまったおかげで自分の心の奥底の不満や願望に向き合うことになってしまったのだ。

彼女達の独白を聞いてみましょう。

河見蒼子・・・河見との生活は、 東京で暮らす蒼子から押しつけられたものであるとも言えるのではないか。  二台ある自転車のぴかぴかの方をあちらの人が先に乗って行ってしまったので、 自分は仕方なく残された錆だらけの自転車に乗って人生を走っているのではないだろうか。

佐々木蒼子・・・私は選び間違えた。 きれいな見かけに騙されて、 私は欠陥車を選んでしまったのだ。  埃をかぶっていたもう一台の車こそ、 人生を快適に走り切る性能のいい車だったのだ。

自転車や車にされちゃってますね。

そこでふたりは一ヶ月の約束で入れ替わってみることにしたのだ。
ファンタジーはホラーに、そしてサスペンスへと・・・。
もうひとりの蒼子を殺してしまうしかない、というところまで行きます。


稲森いずみが蒼子役になってNHKでドラマ化されていたようですが、 どうも小説とはラストが違うらしいですね。 

歴史に「もしも」はない、と言いますが、 もしもあのとき・・なんて、思ってみてもどうにもならないですよね。 ここにいる自分が今日までの結果なんです。
思ってみるくらい、いいじゃないのー! 
思ってみるくらい、いいかもしれませんが、 思ってみたくなる時って危険なときかもしれない。 蒼子たちは体験してしまいました。


別の道を選んだ自分がどこかで生きていたとしたら、 
もう、 勝手にそっちはそっちでやっててください。  
こっちはこっちでやってますから、です。
たとえば、 アイルランドでアイリッシュの夫と牛の乳を搾っていたり、 刈りたての羊の毛でセーターを編んでいるつきこさんがいたとしても、 つきこさんはつきこさんであって、 感じていることや考えていることに大差ないと思うのよ。
どうでしょうか? 

読む人によって、いろんな受け取りかたができ、 刺激されるところが違うから、
本っておもしろい。
posted by tsukikohime at 16:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 山本文緒 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

7月20日物語U : 氷依存症


氷をね、ガリガリかじるのが好きなんですよ。
子供の頃から。
おなか冷えちゃうからやめなさいって言われるんですけどね。
だって、 歯がかゆいんだもんって言うと、
それは歯の生え始めの幼児の話でしょ!って返されちゃう。
歯がかゆいというのは冗談なんですが、 
どうしてガリガリやるのが好きなのか自分でも理屈がつけられなくて。

今の冷蔵庫は便利で勝手に氷を作ってくれちゃう。
でも、そのスピードではついに間に合わなくなってしまいました。
以前より氷をかじる量が増えたのか、在宅時間が増えたのか。

氷入れがからっぽになって泣きそうです。
15分くらい待つとごとごとって5個落ちてきて、 ガリガリ。
また15分くらいして5個落ちてきて、 ガリガリ。
一晩寝て、 朝、氷入れに溜まっているのを見てにんまり。
まず朝一番に氷り入れを開けて見てしまいます。
でも、夜には、 辛い15分待ち。

氷、買いに行く!
氷をわざわざ買うなんてお母さん、ばからしいよ、 がまんしなさいと子供に言われたんですけどね。  頼むよー、 いっしょに行って〜と、空くんにつきあってもらって、 さきほどいっしょに買いに行きました。  

氷・・241円。
しろくまアイス2個・・640円 (高いよぉ〜、おいしいけど)
おでん・・420円
チョコレート・・190円

余計なものを買わされてしまいました。 確かにばからしかったかもしれません。

うちの氷入れにざーっとあけて、 うふふふふ。 
なんかいつ地震が来ても大丈夫! みたいな安心感。

いざ、 かじろうと思ったら、 あれですね、 あの売っている氷って大きいんですね。  口に入らないです。  けっこう悲しくなりましたが、 フォークでがじがじ砕いて頑張って小さくしました。
本当は、ドトールとかのアイスコーヒーに入っているような細かいクラッシュドアイスを口いっぱいに入れてガリシャリガリシャリするのが理想ですね。

ふぅぅ〜。  とりあえずこれで、落ち着いてブログが書ける。

オンライン書店ビーケーワン:心が雨漏りする日には

心が雨漏りする日には  中島 らも著  2002.10  青春出版社

再読。
毎日、雨ばかり続いていて、 ふとタイトルを見て読み直したくなりました。
小説ではありません。

目次
1 “それ”は突然やってくる
2  坑うつ剤でタリラリラン
3  うつの捲土重来(けんどちょうらい)
4  曇り、のち突然、躁
5  躁はまだまだ止まらない
6  上手な心の飼い慣らし方
終  予後は視界良好
対談 「うつ」との時間無制限一本勝負 ― 中島らも VS 精神科医 芝伸太郎

らもさんの躁とうつとそして、アルコール依存症との闘いの日々をエッセイにしたものです。
ずいぶん悲惨な症状なのですが、 らもさんの筆にかかるとその恐ろしい闘いの様子も笑いを誘ってしまいます。  どんなことでも笑い飛ばしてしまうのですね。
でも、 これを執筆中にはうつも躁も小康状態だったから、 書けたのでしょうけど。
らもさん、いなくなってしまって残念です。
posted by tsukikohime at 00:27| Comment(4) | TrackBack(1) | なにぬねの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月18日

7月18日物語U : 雨、続きますね


「あんたはいいわよ。 お帰りただいまって言い合う亭主がいる。  子供の成長を見守る仕事がある。  わたしには、 何もないのよ。  食べて寝て、 生活費稼ぐためにまた起きて働いて、 死んでいくだけよ。  それだけの人生で我慢しろっていうの?」

と叫ぶ 42歳のシングルキャリアウーマン、 並河志津子。

とは言っても、 そこそこ人生を楽しんでいらっしゃる。

そんな愚痴が似合うようなヒネタ性格でもないし。

あけすけで隠し事のできない性格で、 過去の失敗や恋愛を誰彼なしに話してしまうし、周りは振り回されながらも志津子のことを放っておけないし、 姉御肌で困っている人を見るとどーんとお金や時間や人脈を使って助けてあげてしまう志津子にはまた友人が倍々に増えていく・・・。

そんな志津子を友人、 部下、 昔の恋人、 かつての恋のライバルたちが語る。

読み進むにつれエピソードも増え、 がちゃがちゃどたばたしているだけのように見えた志津子の魅力が見えてきて、 途中からは、 うーん、 なんてかわいい女性でしょう! と思わされるのだけれども。

オンライン書店ビーケーワン:なんにもうまくいかないわ

なんにもうまくいかないわ  平 安寿子(たいらあずこ) 2004.11  徳間書店

ラブコメ映画みたいでしたね。
深く考え込む必要のない本でしたが、 いま、とくにそうゆう軽いのを読みたかったわけではなかったみたいです、わたし。

だいいち、 「なんにもうまくいかないわ!」 と叫ぶようなことってないです。

なんでもうまくいってるともまさか思わないけれど、 いろいろ上がり下がり登り下りがあるものだし、 晴れの日もあれば雨の日もある。
そもそも何かをするときに 「楽しみたい」 とは思っても、 「うまくいくように」 という発想ではない。  
「楽しめない」 とわかっていることでも、 通らなくてはコトが進まないならモクモクと片付けるし。
楽しさの中にはつまらなさも隠れているし、 つまらないと思っていたことの中にも楽しさは潜んでいる。
・・・と書いていて、 
ふっ 長く生きたなと、 感じました。 
これでいいのか。  たぶんいいのでしょう。
また別の時にあらためて考えてみよう。


この志津子さんを主役とした5つの短篇のほかにひとつ全然別の短篇 
「亭主、 差し上げます」 というのが入っていて、 これはひじょうにおもしろかったです。
 
本気か冗談か(多分、半分本気、半分冗談)、 亭主の浮気相手をうまくはめてちょうどいらないと思っていた亭主を罪悪感とともに、 そして被害者顔で慰謝料をもらって持っていってもらうと助かるわ〜、 なんて話は、 そこかしこでよく耳にするので、 参考例としてオトモダチ(男性も女性も)にこの話、薦めてみようかしらん。 なんて。

新聞の天気予報の絵には、 全国的に9割以上は傘マーク。 
金曜日まで傘傘傘傘傘。
でもまたそのうち晴れるもの。
posted by tsukikohime at 18:04| Comment(7) | TrackBack(0) | たちつてと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月17日

7月16日物語U : 免疫力をアップしましょ

 

                      2匹の亀

いますぐ逢いたいの。

週末だしこの時間からでは “亀のホテル” しか部屋が取れませんが良いですか?

“亀さんのホテル” に行きます。 タクシーで20分位で着きます。

わかりました。 

亀さんがいる入り口ではなく正面玄関に車を着けてもらうと、 あなたはロビーで出迎えてくれた。

急にどうしたのですか?

本を読んでいたら、 どうしてもあなたに話したいことができてしまって、 それで。

どんなことですか?

はい。 あの、 部屋に入ってから。 

でも、 どうでもよくなってきた。
部屋に入るとワインが用意してあって、 あなたの肩越しの窓の外には都庁がそびえ立っていて、 遠く西の空が見えていて、 あなたは微笑んでいて、 そして私は本当にどうでもよくなってきた。

ちょこっと都庁

赤だけれどもね、 グラスは冷やしておきました。

ありがとう。

話したいことってなんだろう。

はい、あの、 つまらないこと。  ううん。 でも、大事なこと。

なあに?

えーと、 健康のことです。

健康?

やさしい笑顔だけれど少し驚いたような顔をするものだから恥ずかしくなってしまう。

膵臓がね、 時々痛むって言ってたでしょう?

スイゾウ?  ああ、 はい。 

油物。 油物、 控えてほしいなって。

気をつけているんですけどね、なかなか。

それからね、 牛乳。

牛乳?

牛乳やチーズやヨーグルトや乳製品、 好きでしょ。

良くないの?

良くないんですって。

乳製品なんて、 カラダに良さそうだけれども。

私もそう思っていたのだけれども、 膵臓だけでなくて胃や腸にすごく悪いそうです。

牛乳にはカルシウムがいっぱいあるし、 大きくなれるからって言われて子供の頃からずっと飲み続けていたけれど、 どうして良くないの? 不思議だな。

“牛乳神話” みたいなのありましたよね。 骨粗鬆症にも良いって私も思ってたのだけれども。

つきこさん、 いったい何の本を読んだのですか?

え・・、 これです。  

わー、どうしよう。  気を悪くしてないかな。
私はバックから取り出してあのひとに一冊の本を渡した。

健康に関する本を読んで、 あのひとに言わなくちゃとあわてて連絡してこうして逢えたけれど、 こんなのきっと笑われちゃう。  
グラスを持ってベッドに腰掛けると、 あのひとは窓際の椅子に腰掛けて受け取った本を開いてくれた。

なんかわたしったらばかみたい・・・だったかな。

あのう、 シャワーを浴びてきます。

あ、どうぞ。

ひどくひどく後悔の気持ちがいっぱい。 
“健康” の話題ってなんだかね、 色っぽくないもの。  
でも、とても心配なの。 
わたしはあなたのそばであなたの健康の管理をしてあげれないんだもの。
食生活のチェックもできないし。  でもずっと元気でいてもらってずっとあなたとこうして逢える日が続いてほしい。

シャワーなのにのぼせてしまうほど浴びて、 髪まで洗って、 バスタオルを巻いて窓際のあなたのところに戻ったけれど、 あなたはうつむいてまだ本を開いていた。 
腰掛けている足の間にぐりぐりカラダを入れてひざまずいて、 ひざの間からあなたを見上げて一気にしゃべった。  あなたの反応が怖くて。

あのね、 これを書いた医師ってね、 全米ナンバーワンの胃腸内視鏡外科医でね、 米国ではダステイン・ホフマンやスティングやロック・ハドソンなんかを診療していてね、 日本でも中曽根康弘や渡邉恒雄や江崎玲於奈や野村克也や牛尾治朗や竹下景子や津川雅彦など、 各界の名だたる人たちから、 厚い信頼を得ている、 もうこの分野では世界的権威の人なんだそうなの。  
読んでびっくりしちゃったの。  今まで健康に良いと思ってやってきたことが根底からひっくり返ってしまうようなことがいっぱい書いてあって、 マーガリンなんか今すぐ冷蔵庫から出して捨てなさいとか、 胃薬がどんなに胃に悪いかとか、 チャップリンが73歳でどうして子供をつくれたのかとか。  

つきこさん。

つまりはどうやって免疫力をアップさせるかということで。 

つきこさん。

牛乳がカラダに悪いなんて、目からうろこで。

つきこさん。

はい。

ありがとう。

あ、はい。

つきこさん、 読みながら居ても立ってもいられなくなったのですね。

・・・はい。 

嬉しいですよ。  最後まで読まずにあわてて連絡してくれたのですね。
  
あなたはわたしを抱き上げてその膝の上に座らせてくれた。

つきこさん、 ほら、 ここ、 まだ読んでないでしょ?

え?

あなたはわたしの手を取るとわたしの指を最後の章のうしろからふたつめのタイトルのところに運んだ。

そこには “「愛」 は免疫力を活性化させる” と書いてあり、 あら、そこまではまだ読んでないわと思ってのぞきこもうとしたら。
  
あなたは わたしを抱いたまま立ち上がり 「さあ、 免疫力を活性化しましょう」 と言ってスタンドの灯りを消してしまうので本が見れなくなってしまったのだけれども。 

もう、 そんなの。
そんなの。  本なんてもうどうでもいいわ!

オンライン書店ビーケーワン:病気にならない生き方

病気にならない生き方  新谷 弘実(しんやひろみ) 2005.7  サンマーク出版
posted by tsukikohime at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 暮らしや料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月10日

7月10日物語U : 春も泉水もSPRING

伊坂幸太郎の作品の中ではかなり上位に位置する作品らしく、あちこちで賞賛されているようです。
それなりに楽しんだのですが、 ん〜、読んでいる間、 なんだろう、なにかに似ている似ていると・・・、 あ、 舞城王太郎 の 「煙か土か食い物」!! 

地方都市。 才能豊かな兄弟が謎に立ち向かっていく。 家族の絆。 美しい母。 暴力。 洒落たセリフ。  ユーモア。  文章のリズム感。 

それらが少しずつやわらかめで、 舞城さんの 「煙か土か・・」 より癖がなく、 読みやすいかもしれません。  舞城さんのおもしろくって息子や娘に薦めたかったのですが、 かなり暴力シーンが過激だったからねえ。  
え? あ、そう。 今、聞いたら二人とも読んだそうです。

オンライン書店ビーケーワン:重力ピエロ

重力ピエロ  伊坂 幸太郎著  2003.4  新潮社


遺伝子情報会社に勤める泉水(いずみ)は、 街の落書き消しを仕事としている弟の春と、 そして癌で入院中の父親も交え、 仙台市内で連続して起きている放火事件の犯人を挙げようと知恵と情報を出し合う。  春はその仕事柄、 放火現場付近に残されたグラフィティアートと事件の因果関係に気づいていたのだ。  そしてグラフィティアートに残っている文字と遺伝子の文字列が一致して暗号解読の鍵がつかめたかとおもいきや・・。

謎解きは難解ではなくミステリーというほどのものではなく、 どちらかというと家族小説。

幼い頃から仲の良い兄弟。  両親に愛され、 両親をこよなく愛している兄と弟なのだが、 2人は半分しか血が繋がっていない。  母親は同じだが父親が異なっている。 それを知ったのは10代の終わりの頃だ。

弟の春は誰もが振り向かずには入られないほど端正なルックスで、 頭も良く、 ユーモアもあり、 芸術的才能に秀でいて、 運動能力も抜群。
女性にモテる条件を揃えていて実際モテモテなのだが、 性的なものを激しく嫌悪している。
それというのも、春は母が連続レイプ犯に犯されてできた子供だったからだ。
泉水の父親は、 レイプ犯の子を宿した妻を励まし、 出産させ、 我が子として大事に育て、 泉水と春に分け隔てなく愛情を注いでいるのだ。
その温かさは、 家族間で交わされる会話やたくさんのエピソードから、 あふれ出てくる。 

ミステリーは添え物で、 家族小説だと思うのはそこのところです。

泉水は時折、 夢を見る。 悪夢だ。
弟の春が時間を遡り、 愛する母をレイプ犯から守ろうとしてバットでレイプ犯の後頭部を思い切り殴りつけている夢を。
夢の中で泉水は、 バットを遮り大声で叫ぶ。  「待てよ! バカ、 そんなことをすればおまえは生まれてこないんだぞ!」
しかし後ろを振り返れば、 まさに今、 母が襲われている。  
春と母を交互に見つめる。  どうすべきなのか・・・。

レイプ犯(つまり春の遺伝子上の父親)と、 連続放火事件と、 遺伝子の話とがどう絡まって繋がっていくのかは、 読んでからのお楽しみです。
レイプ犯 = 放火犯ではないことだけはお伝えしておきます。

これ、書きようによっては、 ものすごく深刻にして救われない悲しみで読者をいたたまれない気持ちに突き落として泣かせる、 というふうに 「青の炎」 ふうにも持っていけたなあとも思ったのですが、 それじゃ、 両親のあふれる愛が無駄になってしまうものねぇ。

最近、 家庭内放火殺人事件や家族間殺人事件が毎日のように報道されていて 「またなの?」 という感じですが、  子供を育てながら殺意もいっしょに育ててしまうとは。  親はそういうつもりはなかったはずなんですが・・。

「子供は育てたように育つ」 という言葉をどこかで聞いて、怖い言葉だなと思い、 そして忘れないようにしようっと、と思っております。
posted by tsukikohime at 23:11| Comment(0) | TrackBack(2) | あいうえお | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月07日

7月7日物語U : あるのよ。

オンライン書店ビーケーワン:ラスト・ワルツ

ラスト・ワルツ  盛田 隆二〔著〕  2005.3  角川書店


小学生の時、 留守番をしていてひとりこっそり日活の映画の再放送をテレビで見てどきどきしたあの気分を思い出してしまった。

大人になったらあんなふうになるのね。

「酒場」 や 「ダンスホール」 で、「楽団」 がバックで演奏していて、
「煙草の煙」 がもうもうで、 天井に「ミラーボール」 がくるくる回っていて、
「石原裕次郎」 のように苦みばしった男がいて、 「浅岡るり子」 のように足が美しい私がいて、 邪魔なのにいつもバッグをひじのところにかけていて、 
時々「アロハシャツ」 を着たガラの悪いにいちゃんがからんできて、 
よく見ると 「愚連た弟」 もその仲間にいて、 
美しい姉は 『馬鹿っ!』 と弟の頬をたたき、 
ふて腐れた顔つきの弟は、 まだ幼さを残した目もとで、 
『ちっ! 行こうぜ!』 と捨て台詞を吐いて酒場から出て行く。

場面は 「夜の波止場」 に変わり、 頭にネッカチーフをした 「北原三枝」 にいつのまにかなっているわたしは、 
『おまえには、この世界は似合わないぜ』 という男に 
『なぜ? なぜなの?』 と 食い下がり、 なぜだか 『見損なったわ!!』  
と叫んでハイヒールの音も高らかに去っていく。
男は、 覆った手で港の風を防ぎながら煙草に火をつけ、 暗い海を見る。
するとたくさんの乱れた足音が近づき、 暗闇に一発の銃声が・・・。

いくつもの再放送日活映画を時代錯誤したまま、 ストーリーも俳優も混ぜこぜに、 印象に残った映像だけが脳裏に焼きつき、 

「で、できるかな・・、わたし。  大人になれるかしら・・・、 大人になったらあんなふうな男女関係が待っているのかしら・・・。  うまくこなせるかどうか自信ないけれど、 きっと大人になりさえすれば、 こなせるのようになるのね。 それが大人ってことなんだもの・・。」

と、大きな不安と少しの期待で幼い胸を痛めていた。


ラスト・ワルツ を読んでいたら、 「え、大人になってするレンアイとやらは、 こんななの?  
・・・できるかしら。 私、とっても不安・・」  
と、ふたりの子持ちのわたしが、 小学生のつきこさんにフィードバックしてしまった。

んなわけはないのに。

時代はヒッピーが手書きの詩集を路上で売っている頃。
ある男と他人のままつながっている証に、 首に犬の首輪をつけたまま、 上京したての10歳年下の18歳の男を家に寝泊りさせ関係を持ったり、 日常的にマリファナ吸ったり、 シャブを打ってセックスしたり、 SM裏ビデオに出演したりしながら子供を育てる花菜子。
12年後、 結婚して一児の父になって会社勤めをしている主人公のぼくは、 ばったりあの年上の花菜子さんと会ってしまい・・。


昔の日活映画の世界も、 ラスト・ワルツの世界も、 私が生きている世界とは異質の世界だけれでも、 それって絵空事ではなく、 この東京には本当にある世界なのかも。

『ラスト・ワルツ』 は 『夜の果てまで』 『サウダージ』 に続く “恋愛三部作” のひとつなんだそうです。

『夜の果てまで』 は読んでいる最中、 はじめのうちはピンとこなかったのですが、終わりに近づくにつれ、じわじわぐんぐん感動が押し寄せてきた覚えがあります。
わー、 これってかなり後味が残る小説!  食べ終わったあとにいつまでもそのおいしさが思い出されてしまうし、 布団に入ってからも反芻して味わいたくなる小説でした。 
『ラスト・ワルツ』 も印象深い味ですが、 『夜の果てまで』 ほどの感動は残さなかったです。

そしたらね、 執筆された順番と世に出た順番が逆だったそうで、 『ラスト・ワルツ』 のほうが処女作なんだそうです。

それならわかる。  『ラスト・ワルツ』 よりも 『夜の果てまで』 のほうが、 ずっとうまみが強い。

あとがきに書いてありましたが、 『ラスト・ワルツ』 は、 盛田隆二さんの実体験がかなり織り込まれているそうです。


やっぱり、あるんだ・・・、 そういう世界。
あるとは思うけど。 
・・・あるんだ。
フィクションもノンフィクションもたくさん読んでるから、わかっているんだけれどもね。
 
・・・あるんだ。  じゃ、日活もあり、か。


七夕だっていうのに、 ブログ一周年記念日だというのに、
なんか納得いかない記事を書いてしまった。
 
posted by tsukikohime at 10:10| Comment(2) | TrackBack(0) | まみむめも | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月02日

7月2日物語U : アンボス・ムンドス


ぅあぁぁぁ、やっちゃったよ、怖いよそれ桐野さん。
 
と、近頃子どもたちが読んでいる漫画 「ピュ〜と吹く!ジャガ〜」の中のセリフみたいな言い回しになってしまった。

ふつふつと煮えたぎる憎悪を隠し持った女の心の闇とか、 屈折した感情の表現とか、 なんかもう怖いんです。

オンライン書店ビーケーワン:アンボス・ムンドス

アンボス・ムンドス  桐野 夏生著  2005.10  文芸春秋

「植林」・・・ 容姿に激しいコンプレックスを持ち、 とくに能力もなく、 そのせいで何事にも自信を持てない24歳の真希は、 自分を小馬鹿にする周りの人間に対していつも憎悪の気持ちを膨らませている。
ある日ワイドショーで過去の未解決事件の特集をやっていた。
1984年のグリコ・森永事件のあの子供のような声、テレビから流れる 「レストランから1号線を南へ1500メートル行ったところにある守口市民会館の前の京阪本通2丁目の陸橋の階段の下の空き缶の中」 は自分の声ではないか。

そのセリフを練習させられた記憶が少しずつ甦るにつれ、 真希はぞくぞくと嬉しくなり、 喜びの笑いがこみ上げる。 
自分にもドラマチックなことが過去にあったのだ。 この冴えない女、 みんなから馬鹿にされている自分が重大事件の中心人物!


「アンボス・ムンドス」・・・上司である小学校の教頭と不倫をしていた女性教師。  
人生に一度だけ思い切ったことをしようと、 どうせ行くのなら二度と行けない遠いところ、 地球の裏側キューバへと夏休みに不倫旅行に出掛けたふたりを待っていたのは教え子の事故死の知らせだった。
夏休み中とはいえ教え子が事故死したときに知らせるべく担任と教頭が不在だったことから、不倫が世間に知られ、 日本中に報道されてしまった。

これも実際あった話を元に書かれています。 
そういえばそんな記事を読んだことがあった気がします。

これ、怖いのは実は教え子の小学5年生の女の子たち。
嫌いな担任を罠に落とすために仕組んだ事件だったのではないか・・?

いいのでしょうか、実際あった事件をそんなふうに書いて。
「グロテスク」 も東電OL事件のことだったし。
小心者の私は心配になります。


「浮島の森」・・・あれ、これ桐野さん? なんか違う雰囲気の文章。
谷崎潤一郎と佐藤春夫の間で行われた「妻譲渡事件」 のことみたいです、これは。
妻と娘、 まるごと譲られちゃったわけだけれど、 そのときの娘が大人になってからの話です。


7つの短篇が収められていますが、 どうして短篇にしちゃったのか、 「グロテスク」 くらいの話にひきのばせる余地はありそうな話ばかりでした。

ちなみにアンボス・ムンドスというのは、 「両方の世界」 「新旧ふたつの世界」 という意味。
東西、 表裏、 左右、 男女、 明暗・・。

不倫旅行をしたふたりがハバナで泊まったホテルの名だったそうです。

表題作だけではなく、 この一冊まるごとに相応しいタイトルでした。
posted by tsukikohime at 23:17| Comment(4) | TrackBack(1) | 桐野夏生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする